日本におけるRAVENプロジェクト推進について
著
今を遡ること10年前、僕はSeattleで人力飛行の世界記録更新を目指すRAVEN Project(既に旧ravenproject.orgドメインにあったコンテンツが消えてしまっているので、Internet Archive Wayback Machineにあった2006年4月24日時点のコンテンツにリンク)にメンバーの一員として参加していました。プロジェクトを率いたエンジニアのPaulとは、資金難などの事情からプロジェクトが停止した後も懇意な間柄で、今年の3月に再会しているし、また7月には富士登山&鳥人間コンテストの観戦に日本に久しぶりに来るので、行動を共にしようと思っています。その彼から、題名にある通りの内容の相談を受けたのは10日ほど前。そして今日、ついさっきまでこの件についてIMで話していて、やはり内容をオープンにして意見を募ってみないと何とも言えないということになり、彼の承諾の下に以下書き記します。
彼が人力飛行機RAVENを日本で製作したいと考えている理由には二つあります。
- 日本の人力飛行機コミュニティは、人力飛行機の製作と試験において経験が豊富であること
- アメリカ国内ではRAVENの製作および試験に向けては経験値が不十分であり、飛行を成功させる最上の機会があるとすれば、日本人の持つスキルや経験を生かすことである
そういうわけで、障害も多数あるだろうし決して生易しいことではないにせよ、もし日本国内にRAVENの製作に興味のあるチームや人があれば、その実現に向けて共同したいとのこと。また以下の点を確認しています。
- 製作/試験にかかる全コストについては彼が責任を負う代わり、チームは製作場所をみつけなければならない
- チームは基本的にPaulの設計なり考え方に従って製作をする必要があるが、しかしそれは彼がチームの意見を聞く耳を持たないというわけではない
- RAVENを製作することの目的は世界記録を樹立することだが、飛行場所はこれから探すスポンサーの意思に依存する部分もあり、そのゴールを今答えることは難しい
そういうわけで、本件に関しご意見・ご興味をお持ちの方は、是非メール(kidachi@kazuhi.to)でその旨ご一報ください。また既に書きましたように、彼は今年僕と鳥コン観戦に行きますので、もし直接話をして具体的な事柄を個別に問いたいという方がいらっしゃれば、僕のほうで通訳(ナンチャッテですが)もできますので、あらかじめ連絡いただければ、彦根で簡単な打ち合わせをセットすることもできます。よろしくお願いします。
余談ですが、僕自身は日本でのRAVEN Projectが仮に立ち上がったとして参加したいかどうかといえば、気持ちは参加したいけれど総合的に考えると難しいだろうと思っています。まだ子供が小さいうえに仕事も忙しく、今以上に家族との時間を割いてまで人力飛行に携わりたいかといえばNOだと思うのです。死ぬまでにもう一度飛びたい、せめて製作にだけでも参加したい、その気持ちに嘘偽りは無いけれど……転職でもしない限りは難しいだろうな、と。