CSUN二日目
著
CSUN二日目の覚え書きです。前日までの発表準備の疲れがどっと出てしまって朝寝坊、午前中のセッション参加は断念しつつ、記憶に残ったものだけ書き留めておきます。
Web Accessibility Problems Identified By User Testing Of Japanese Blind People
東京女子大学の村岡さんによる発表。開発の止まってしまったホームページリーダーのユーザーを対象に、京都府のサイトなどを題材にタスク設定をし、ユーザーテストを行った結果とその考察のお話でした。多くの場合ユーザーはタブと矢印のキーで操作を行い、Heading Reading Modeがほとんど使われていないという結果は個人的にはやや残念。このあたりはソフトの使用期間次第と思いきや、それ以上にソフトとの接し方における個人差が大きそうです。そもそも見出しとは何か、レイアウトテーブルとは何かをユーザーは知らないと言われていましたが、知っている必要性って無いと思うんですよね(無論、知っていればより便利にWebを使えるでしょうが)。コンテンツ制作者は意味的かつ構造的なマークアップを心がけ、支援技術の開発者はその利点を最大限活かせるような機能を提供し、また支援技術ユーザーはその機能を使いこなせるよう学習すれば良いのだけど、それらがうまく好循環を起こすよう全体をデザインしていくうえでは、さらなるユーザーテストの実施や結果の共有を期待したいと思いました。
Tools for Testing Functional Web Accessibility
基本的にはIllinois Center for Instructional Technology Accessibilityにおける取り組みの紹介、みたいなセッション。スライドはまだ公開されていない模様。話の中心はFunctional Accessibility EvaluatorとMozilla/Firefox Accessibility Extensionで、興味深かったのが「Heading Density」なる言葉を耳にしたこと。文書中に登場する見出しが占める割合、みたいな定義なんでしょうが、それが5%ぐらいが良いなどと説明されていたので、すかさず「その数字は一体どうやって得たのか?」と突っ込んでみました。結局、厳密な評価なんてしてないらしく、ヒューリスティックに基づいたもの、と返されてオシマイでした。