Until user agents...
著
XHTML™ 1.1 - Module-based XHTML - Second Edition草案のリリースが契機かどうかは知りませんが、target属性を使用することの是非、新規ウィンドウを生成することの是非に関する意見を最近いくつか目にしました。仕様のなかで規定された機能というのは、世の中的に一定のニーズがあったからこそ盛り込まれたという見方ができますが、Webコンテンツを制作する側と閲覧する側とでは、当然その必要性の度合いや理由は異なるでしょう。
純粋に前者の視点においては、長所・短所をしっかり認識し慎重に検討したうえであれば、target="_blank"のような指定を行うこと自体になんら問題は無い、と思います(当然、その目的に適した文書型を選択し文書を作成することになります)。つまり別窓指定の理想論 (kuruman.org > Kuruman Memo)の使いたいなら使えばいいじゃないか
、に同意。難しいのは、というか意見が分かれるであろうポイントは、文書作成時点でのユーザーエージェントや支援技術の対応状況が、果たして短所になるのかどうか?ではないでしょうか。WCAG 1.0やその関連文書にたびたび登場するUntil user agents
というフレーズが、まさにその悩みどころというか……そうした環境因子は時代と共に変化し続けているわけで、より確かな判断を下すためには、定常的な情報収集と実装状況の把握が必要になります。
そんなことをつらつらと考えてみますと、現在利用できるユーザーエージェントはまだまだ発展途上であって、閲覧する側の望み通りにWebサイトを利用する(先の記事を書かれたKurumaさんの仰るWebを操作する
という表現に近い意味?)には程遠いのだなぁと改めて思いました。たとえばユーザースタイルシートは便利な技術だけれど、誰もがCSSの書き方を学び記述する必要なんて無いし無理なわけで、ブラウザがその編集を補助する機能を担ってくれればと思っていますが、いまだ実現されていません(僕の知る限り、デフォルトの機能としては)。文字の大きさにしたって、段階的に調整するのではなく、なぜ無段階で(スライダのようなインタフェースを用意して)調整できないのか?その目的でユーザースタイルシートの内容を動的に書き換えリアルタイムに適用するような内部処理がなぜ実装されないのだろう?と。僕はプログラマでも何でも無いので、その実現にどれだけの技術的障壁があるのか(または無いのか)わかりませんが、ユーザーエージェントベンダには、コンテンツの閲覧行為そのもののカスタマイズ性をもっと高めて欲しい、と思います。Web標準への準拠は当然のこととして。