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Web標準の教科書

実は大学の後輩(なんて書くと妙に偉そうだけど)であることを最近知った、益子さんの最新著作「Web標準の教科書--XHTMLとCSSでつくる"正しい"Webサイト」を読了。たいへん有難いことに一冊いただき、興味深く読ませていただきました。先日の飲み会でお会いしたときに書いていただいたサインが、実に芸能人っぽいサインで驚かされました。ヤスヒサさんのと大違いだ!!(「Web designer 2.0」にいただいたヤスヒサさんのサインはコーヒーのイラスト付きで、それはそれでレアなのですけど。)
本題に戻って感想ですが、流石は教科書を謳うだけのことはあるなぁ、という感じです。実を言うと「Web標準の教科書」なんてタイトルの本、僕が書いてみたかったという気持ちもありますが(ちょっと悔しい)、しかし本書を見て「このボリュームは自分には絶対無理!」と感じたのも事実。なにせ600ページ超もありますからね。構成的にはXHTMLとCSSのレファレンスが約半分、残りを定義や歴史的背景、レファレンスからだけでは得ることのできないベストプラクティス集、それに(Web標準と強い相関のある)アクセシビリティ&メタデータの世界に割いています。値段的に手頃、いや間違いなく情報量に比し割安感があるってこともありますが、今後登場する予定の仕様への言及も多くありますし、Web制作者の方なら手元に置いておいて損は無いんじゃないかと思います。一通り読み終えて、誤記と思しき箇所や疑問に思ったところは既に益子さんにはご連絡してありますが、近いうちに読者サポートページのほうに掲載されるかもしれません(あ、CYBER@GARDENのリビルドおめでとうございます)。
個人的にやや残念に思ったのは、第6章第14節「レイアウトテクニック(10)-画像の代替表現」。いわゆるImage Replacementを取り上げているのですが、アクセシビリティにおける負の側面(displayプロパティでnoneを指定すると音声ブラウザで読み上げられなかったり、CSS有効かつ画像非表示な視覚系ブラウザで環境で何も表示されなかったり)へのフォーカスが弱いかなぁと。Dougは最近だとむしろ使わないよう奨めています。もちろんそういう技法を知っておくことはプラスだし、採用するに足る十分な理由があれば利用すべきとも思うのですが、長所と短所の双方をしっかり踏まえておくことが求められるわけで。

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