十年ひと昔
著
連日、まだ生まれたばかりの息子と嫁さんのいる病院へ会社帰りに寄っているのですが(片道徒歩30分弱)、実はその途中で母校の敷地内を突っ切っています。単にそれが近道だからということもあるし、学生時代へのタイムスリップ感を味わいたいってこともあって。その途中、サークルの後輩が人力飛行機を製作している現場の近くを通りがかります。昨年はPaulと共に見学に訪れましたが、今年は特にそういう理由もなく、そもそも作業の邪魔はしたくないから、立ち寄りなんてしませんけど、しかし傍を通るだけで不思議な感覚に襲われます。
今年は僕が鳥コン2度目の挑戦にして910メートルを飛んでからちょうど10年目。ただひたすらに定常飛行による記録を残すことだけが生存理由だったあの頃。人力飛行機に自分のすべてを「今」注ぎ込まないと絶対後悔すると悟っていたからこそ無茶もできたし、あんなにアツイ夏はきっと二度と迎えることは無いだろうとも思います。当時、まさか10年後の自分が今のような立場や境遇でもって再びサークル活動を間近に(いや実際には「遠目に」だけどさ)目にすることになろうとは、想像もしなかったね。無論そこには数多くの偶然が重なっていて、例えば嫁さんが助産院で自然分娩していたなら、当然このような状況は生まれていなかったわけだけど。「十年ひと昔」とはよく言ったものだよ、実に面白おかしくて、そして(ちょっと)切ない感じです。
息子は無事保育器の外に出て、今日から晴れて母子同室となりました。おそらく僕が今年の鳥コンを観戦に行って帰ってくるぐらいまで、二人は嫁さんの実家のほうで過ごす予定です。今年の観戦、宿を確保していないっていうか、小遣いがあまり無いので野宿するつもりでいます。既に大会当日まで1ヶ月を切り、本番が楽しみですが、そういう事情もあって何としても晴れて欲しいなぁ。ちなみに放送日は9月19日。