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死の壁

養老孟司著「死の壁」を読了。ベストセラーとなった「バカの壁」は読んでいないけれど、あとがきを読む限り、本書は「バカの壁」の続きのようなもの、らしい。とりあえずバカよりは死のほうがそそられるテーマだったので、買ってみたまで。
なんていうか、ああしろこうしろとかいう説教臭さはほとんど感じられず、ただ淡々と死にまつわる話を展開することで、死について多面的に考えるきっかけを著者が与えてくれる、そういう本なんだなと思いました。(第七章の「テロ・戦争・大学紛争」だけは、妙に死というテーマから距離感を感じる内容だったけど。)死とウンコの類似性(謎無)とか、非常に新鮮な視点にして興味深く、かつ納得させられる記述も多くて、読んで良かったかも。
自分がいつ、どういう死に目に合うかという「一人称の死」は、僕の中では日常生活においてなお興味のある事柄だったりしますが、それよりも思索に値するのは二人称・三人称の死についてである、というのは肝に銘じなくては。そしてもっと大事なことは、「取り返しがつかない」今という一瞬一瞬をいかにして生き抜くかということ。……明日も頑張っていきましょう、無事眠りから目覚めたなら。

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