国産ロケットはなぜ墜ちるのか

2004年2月8日 著

松浦さんの最新著作「国産ロケットはなぜ墜ちるのか」がAmazonから届いたので、一気に読了。
タイトルだけをみれば打上げ失敗にフォーカスした内容のようにも想像されるけれど、（目次からわかるように）実際にはその原因から読み取ることのできる日本の宇宙開発の問題点、さらには世界的規模でみたときの宇宙開発の停滞にまで言及し、解決の方向性を提示しています。先に読んだ日中宇宙戦争より本書のほうが断然読み応えアリ。ある意味、宇宙業界で働く（或いは「働こうとしている」）全ての人にとって必読の書だと思います。最終章でRutan氏の言葉を引用しているのはイイですね、僕も過去に「Rutan氏の言葉」で取り上げましたが。
ただ、ご本人も単なる思いつきと書いてますけど、第二JAXAのような組織を作るというのはさすがに突飛過ぎるように感じました。競争の不足が停滞を招くというのは激しく同意なものの、かといって限られたリソースを分散・競争させるのは、かえって業界全体を疲弊させるリスクのほうが大きいんじゃないかなぁと。枠組みは現状のままでも改善できることってたくさんあると思いますし......僕個人の思いつきとしてはとりあえず松浦さんが宇宙開発委員になる、とか（ぉ