グローバル・インテリジェンス・ファイル
著
落合信彦著「グローバル・インテリジェンス・ファイル」を読了。氏による世界情勢の分析が地域ごとに紹介されている本です。自衛隊のイラク派遣を巡っては、いまだニュースを見てひとり悶々と考えたりしているのだけれど、そんな時期にこの本を読んだのはタイミング的に最適だったかも。ただ、常日頃から興味をもって知識を得ようとしていた分野では無いだけに、イラク戦争と中東の章は完全に消化不良。高校時代より激しく苦手だった世界史を再度学ばなければ十分な理解は得られそうにないし、ほかの人による分析も読まないことには、思考の整理はつきそうにない。
印象的なフレーズは多数あったけれど、「キーボードを叩けば誰でも入手できるようなデータは、『情報』ですらない
」というのは特にハッとさせられました。言われてみれば当たり前のことではあるけれど、世界を飛び回って取材をしてきた氏の言葉ゆえに重みを感じます。将来、アメリカと中国が衝突することは不可避であり、日本はというか個々人はそれを見据えて考え・行動しなければならないというメッセージはしかと受け取りました。
読み終えてちと反省したのは、僕自身のメンタリティにまだ「プレ9・11」な部分が残っていて、「ポスト9・11」にまだ完全には切り替わっていないということ。完全な機能不全に陥っているはずの国連に対して微妙に期待を持ち続けたりしているのは、そのあたりに原因があるのかもしれない。