YAMAHA、新記録樹立!
著
YAMAHA Team Aeroscepsyが、日本の人力飛行機の歴史に新たな1ページを刻みました。昨日、琵琶湖で行われた同チームの記録飛行において、飛行距離10.9kmの日本新記録を樹立したそうです。チームの目標であった25kmには遠く及ばなかったものの、1992年にやはり同チームが樹立した日本記録・4436mから比べれば、一気にその約2.5倍まで記録を伸ばしたことになります。
ご存知無い方は混同されるかもしれませんが、ここでいう日本記録というのは、讀賣テレビが毎年主催しているイベント「鳥人間コンテスト」での大会新記録とは、まったく別種のものです。日本記録とは、(財)日本航空協会が認めた公式立会人が立ち会いのうえ、平地から自走離陸するなどの諸条件をクリアして初めて認定される記録です。
同チームほどの高い設計・製作スキル、豊富な飛行体験をもってしても、当初の目標を達成できなかったというのは、気象条件の悪化をおいてほかに要因が思い当たりませんが、どうなんでしょう。飛行コースや昨日の気象条件、パイロットの中山さんのコメント等を総合的に検討しないことには、実際のところはわかりませんが。
この新記録樹立のニュースを聞いて真っ先に思ったのは、今年の鳥人間コンテストはやはり「奇跡」と言って良いほど人力飛行に適した気象条件に恵まれたのかな、ということ。(既にご存知のように、今年の鳥コンで優勝チームは彦根から琵琶湖大橋に至る35kmもの距離を悠々と飛びきっています。)
なぜ今年の鳥コンでああも好記録が続出したのか、その理由が大会当日はよくわかりませんでした。後から聞いた話では、サーマル(熱上昇風)が味方したのでは?とのことですが、僕がひとつ思い当たったのは、温度・湿度条件。温度・湿度が低ければ、フェアリング内がより快適に保たれ、ひいてはパイロットパフォーマンスの一層の持続が期待できます。
今年は例年になく涼しく過ごし易かった陽気のうえ、多景島がかつて見たことも無いほど鮮明に・しかも長時間、湖岸から見えていたのが印象的だったんです。多景島がどれほどクリアに見えていたかは、日大航空研究会の「第27回鳥人間コンテスト写真集」を見ていただければ、ひょっとするとお分かりいただけるかもしれませんが。
話がだいぶ脱線しましたが、とにかく日本記録の更新はおめでたいですし、Team Aeroscepsyの方々には心からおめでとうございます、と伝えたいです。(今後の活動が気になるところですが、そちらも追々明らかになってくることでしょう。)
[追記]
asahi.comに掲載されたチーム代表の鈴木正人さんのコメントに基づき、いちどはチームの目標飛行距離を当初25kmとしていたのを40kmに変更しましたが、40kmというのはコンディションが良い場合の目標とのことで、25kmという記載に戻しました。