電子書籍フォーマット「EPUB 3」の再始動と最新動向
3月4日に開催されたオンラインセミナー『電子書籍フォーマット「EPUB 3」の再始動と最新動向』は、もともとリアタイ参加を予定していたのですけど、予定が変わってYouTubeの録画を拝見しました。すでにスライドも公開されており、大変ありがたいです。いくつか気になった点を覚え書きしておきますと......
- W3Cに言及された場面(スライドのp.18)にある「年会費が高額(約740万円/年)」については、補足が必要だと思いました。その金額は、あくまで
営利企業で年商1千億円以上(税込)の場合
に限られます。詳細はJoin W3Cをご覧いただければ。 - スライドのp.50に
「合理的配慮」を国内で定義
とありますが、この合理的配慮が障害者差別解消法における合理的配慮だとすると、経産省アクセシビリティ・ガイドブックにおいてそれが定義されるという話には違和感があります。同法における合理的配慮の提供内容とは、あくまで障害者と事業者との建設的対話を通じてのみ定まると理解しているからです。電子書籍業界として、環境の整備に取り組むうえでのベースラインを定義したいという話なら、理解できます。 国際標準へ準拠よりも業界標準策定を要望する声が多かった
というお話(スライドのp.63〜64)、確かに興味深くて、私としては「なぜ」なのか理由が知りたいですね。単に、物申すのに日本語を使えたほうが都合が良いという理由はあると思うのですけど。- スライドのp.68〜69で語られたJIS X 23761に関して、内容の陳腐化という点もそれはそれで確かに課題なのですが、当該規格を活用するための基盤整備や普及について積極的に取り組む旗振り役の不在が、より根深い課題と私には映ります。JIS X 8341-3の場合はWAICという組織を立ち上げ、その種の活動を行ってきたわけですけど。
- スライドのp.77で電子書籍(EPUB)ではHTMLは使えないことになりました -- W3Cが苦渋の決断、Webと電子書籍の統合を阻んだ「XMLの壁」 - TechFeedに対し
タイトルに悪意が...
とコメントされていますが、悪意の有無はさておき、同情はします。実際、自分はあまり後ろ向きに捉えてなくて、課題は確かにあるんですけど、解決に向けた意識統一の最中にあるのかなと。
というコメントを当時、残しました。
@kazuhitoは、木達一仁の個人サイトです。主に宇宙開発や人力飛行機、Webデザイン全般に興味があります。Apple製品と麺類とコーヒーが好きです。南極には何度でも行きたい。アクセシビリティおじさんとしてのスローガンは「Webアクセシビリティ・ファースト」。