あの電子書籍リーダーの表示性能が知りたい!——電子書籍『EPUBリーダー表示テスト』活用術
11月25日の覚え書き。オンラインでJEPAのセミナー、あの電子書籍リーダーの表示性能が知りたい!——電子書籍『EPUBリーダー表示テスト』活用術に参加しました。すでに録画がチャプター設定&資料添付済みでYouTubeで公開されています。
テストファイルを作り、その結果をつまびらやかにする取り組み自体は大変すばらしいと思いますが、明らかにされた課題(相互運用性なり互換性の欠如、標準に対する準拠不足)については、ベンダー側を巻き込めない限り前進は期待できないとも強く思います。というのも
- 「独自エンジン系」のベンダー各社は、何が理由ないし動機で独自エンジンを開発・採用し続けているのか?
- 独自エンジンを採用し続けるメリットは、時間が経てば経つほど相対的に小さくなるいっぽうに思うが、「独自エンジン系」のベンダー各社はどう考えているのか?
- 「独自エンジン系」のベンダー各社は、仮に将来オープンソースのエンジンに移行するとして、既存の出版物でどれだけ互換性が損なわれうるか(手直しのコストが発生しうるか)、検証しているのか?
- 「独自エンジン系」のベンダー各社は、改正障害者差別解消法に基づき、障害当事者より独自エンジンの採用に紐づく合理的調整(合理的配慮)を求められた場合、どのような対応を想定されているのか?
みたいなモヤモヤは、直接ベンダー各社に話を聞かない限り、わかりようがないから。かつてWeb Standards Projectでは、似たような背景があってAcid Testsを作った経緯がありますが、最終的にベンダーを動かしたのは直接的な働きかけを通じてだったと思っていますので......そのようなコミュニケーションが今後、電子書籍界隈でも進んでほしいと願います。
@kazuhitoは、木達一仁の個人サイトです。主に宇宙開発や人力飛行機、Webデザイン全般に興味があります。Apple製品と麺類とコーヒーが好きです。南極には何度でも行きたい。アクセシビリティおじさんとしてのスローガンは「Webアクセシビリティ・ファースト」。