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それは本当に、あなたの欲なのか?:承認・快楽・思考停止の檻を壊す古代実践哲学

ストア派哲学絡みでAmazonからおすすめされた『それは本当に、あなたの欲なのか?:承認・快楽・思考停止の檻を壊す古代実践哲学』を読了。一人称に「俺」を使っているし、粗野な印象の文体には最後まで馴染めなかったけれど、まぁまぁ面白かったです。AIDMA/AISASモデルを引き合いに出して論旨を強化していたのも新鮮。一番の気づきは

ストア派の教えからは、「運命を受け入れ、他人や感情に振り回されず、不動の精神を保つ」ことの大切さを。

エピクロス派の知恵からは、「静かで自然な、小さな喜びを味わい、それに満ちる心の豊かさ」を。

この二つを統合した生き方こそ、 現代の"禁欲主義 × 快楽主義"の二項対立を超える、新しい実践哲学だ。

私はエピクロス派云々というのを本書で初めて読み知った程度であり、ストア派にだいぶ偏って肩入れしている立場なのですが、上記のアドバイスは魅力的に映ったので、ストア派に対する熱が冷めたら?エピクロス派の本を読んでみようかと。次なる気づきは

足るを知れ。足らぬを忘れろ。

というフレーズね。いわゆる「知足」は私の個人的なテーマの1つであったけれど、上記の後半、つまり足らないという感情を覚えないようにするのも、実はコインの裏表のような存在で必要な取り組みだったかもと。でないとバランスがいまひとつに思ったんですよね......足るを知りながら「もっと、もっと」と渇望してしまう状況、あり得るなって。

意思と行動がズレたなら、もう一度、理性で、引き戻せばいい。大切なのは、ブレないことじゃない。戻ってくることだ。

というのも、ありがたいフレーズでした。ブレのなさ、にどうも自分はこだわる傾向があったので。そうである割にブレブレじゃねーの?って反省することがあり、そのたび落ち込んでいたけれど、もうその必要はない。ブレてもいいんだ、ちゃんとブレに気づいて自ら軌道修正できるなら。

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