Web制作会社の経営者がアクセシビリティに興味がない理由
天候不順で今週「も」山に行けないため、午後はMG 1/100 ナラティブガンダム C装備 Ver.Kaを製作しつつ、オンライン配信のおかげで、ありがたくアクセシビリティカンファレンスCHIBA2025に「耳だけ参加」しました。
千葉生まれ千葉育ちの身としては、いかにも千葉らしいお話が聞けなかったのは残念でしたが(誰も落花生の話とかしなかった笑)、全体的に面白かったです。中でもコクヨの藤木武史氏のセッション「with user のインクルーシブデザイン」が素晴らしかったなーと。画面を見ていなかったので再度、振り返り視聴したいと思います。
何より興味深かったのが、最後のセッションにおける、イベントの実行委員長・酒井美貴氏の発言(録画の5:12:39あたりから)。曰く、都内で制作会社の社長さんばかりのイベントに行った際、アクセシビリティの話をしたところ誰も興味を示さなかった......どころか「ボロクソに言われた」そうで。
具体的に何をどう「ボロクソに言われた」かは気になりますけど、アクセシビリティに興味がないWeb制作会社の経営者が少なくないという事実が、とてもよく伝わってくるエピソードでした。なぜ興味がないのか、私なりにちょっと想像してみました:
- 顧客からのニーズが(まだ)聞かれない
- 取引実績のある顧客を中心とした観測範囲でニーズが顕在化するまで動きたくない/動けない
- グローバルなプロジェクトを受諾したことがない
- 海外のアクセシビリティ法制化動向について知る機会がないし、興味もない
- 公共系のプロジェクトを受諾したことがない
- 公的機関をビジネス対象と見做していないので、JIS X 8341-3とかどうでもいい
- 障害者差別解消法などの関連法規に興味がない
- Webデザインや業界のトレンド、もっと言えば社会の動向に興味がない
- アクセシビリティをビジュアルデザインの敵(謎)と思い込んでいる
- 機能的価値と情緒的価値の両立を勝手に諦めている、ないし両立させるためのナレッジやスキルがない
- いわゆる「プロ経営者」であり、その種の粒度/次元のことに興味がない
- 制作物の満たすべき品質を考えるのは自分の役割ではないと考えている
そもそもWebとは何かを理解していない、という可能性が地味に一番高い気がしますけど、どうなんでしょうね。
@kazuhitoは、木達一仁の個人サイトです。主に宇宙開発や人力飛行機、Webデザイン全般に興味があります。Apple製品と麺類とコーヒーが好きです。南極には何度でも行きたい。アクセシビリティおじさんとしてのスローガンは「Webアクセシビリティ・ファースト」。