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検索から生成へ 生成AIによるパラダイムシフトの行方

2年も前の本ですが、タイトルに惹かれて『検索から生成へ 生成AIによるパラダイムシフトの行方』を買って読んでみました。残念ながら、私の求めていたような論考は読めなかったけれど、まぁまぁ面白く読めました。

最初から結果までコンピュータが提示してくれるとしたら、誰も検索なんて非効率的なことは行わない

私は古い人間なので笑、どうしても上記のくだりには同意しきれません。たぶん、私にはまだ本質的にAI(というかAIのベンダー)に対する不信感があり、AIの回答に対し自分なりに信用・信頼を高めるためのプロセスなり一手間が、最終的に効率を悪くしている印象があるのです。

Googleの成功の秘訣は、「Googleが大事だと考えていたこと」を、「そのとき誰も大事だと思っていなかったこと」

上記は、私のささやかな成功体験と重なるところがあって、良い言い回しだなと思いました。私がかれこれ四半世紀以上もWeb業界で働いてこれたのは、Web標準にしろアクセシビリティにしろ、かつては大事にされていなかったことを、当時から私は大事だと考えていたためだと思っていて。

人類が情報技術を操り、膨大な情報をいったんは情報プラットフォーム、つまりインターネット上に保存し、公開し、交換するようになったことで、初めてAIが生まれるための下準備が整った

AIに食わせ学習させるのに必要十分な質・量の情報を無償で入手できた点で、オープンWebはAIの真の生みの親に見えなくもないですし、もっと尊重されるべきとも思いますが......AIによってますます死にかけつつある(と言われている)のは、なんとも皮肉というか、個人的にはもどかしい。

Web 2.0ではRSS(アール・エス・エス)という、情報流通の仕組みが整えられましたが現在では廃れつつあります。

確かに言葉としては滅多に目にしなくなってますし、廃れつつあると表現されても仕方ないとは思うものの、やっぱり抵抗感ありますねーいまだRSSに依存している古い人間としては。Atomしかり、私のなかで良い意味で「枯れた」技術、仕組みと思っています。消えて無くなるようでは困る笑。

実際、私は大規模言語モデルを使ってこの本の下原稿を書き、一部は削除し、一部は加筆しながら本書を仕上げています。

その影響か知らないけれど、本書で誤記っぽいところが複数あったのは残念。

ギグワーカーというのは、要は会社に所属せず、プロジェクト単位で仕事に入ってアドホック(その場限りの)な関係のチームで働き、プロジェクトが終わったら解散するような仕事の仕方です。

この手の話で思い出すのは25年前、初めて南極に行ったときのこと。同じ船に乗ったバックパッカーが、まさに「そういう」組織に属さずプロジェクトベースで仕事をしては旅に出るみたいな生き方をしていて。すごく新鮮だったし、そんな働き方が可能なのか!!と驚いた記憶。

数年もすれば、世のなかにある情報の大半は生成AIによる生成物になっているはず

すでにそうなっている可能性もあるわけですが、私が読みたかったのは、その先でWebがどう変わっていくのか、果たしてWeb全体が「メタクソ化」し得るのか、メタクソ化したWebを食ってAIはどう狂っていくのか......みたいな論考だったりします。

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