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インターネット文明

仕事の関係で年に1度か2度くらい、ありがたいことに直にお話を聞く機会のある、村井純先生の著書『インターネット文明』を読みました。

インターネット以前とインターネット以後は、まるで別世界です。それこそが、インターネットが「文明」たるゆえんなのです。

デジタルネイティブには何かと敵わない今日この頃ですが笑、彼らと違ってインターネット以前、Webが存在する前の時代を経験してきた事実が、自分としては強みに感じているし、大変ありがたいことだとも思っています。

分断されるよりも、おたがいにつながっていることの利点を、世界はもう知ってしまった

後段にも経済成長がグローバル空間で起きやすいとあって、そうであって欲しいと願ういっぽう、その利点を知ってなお世界の一部はいまだ分断を是とし、むしろ分断を求めている現状を思うと、絶望したくもなります。単に視野が狭いのか、長期思考ができないのか、それらの両方か......悲しいです。

インターネット五〇年というと、ほとんどの人は、ARPANETが起源だと言うのですが、私はむしろUNIXの誕生のほうが重要だと考えています。

この視点、めちゃくちゃ面白いなと思いました。もちろん私も、本書を読むまでARPANETこそインターネットの起源と考えていた一人。さっそく真似て=宗旨替えさせていただきます笑。思えば、自宅でMacを触り始めたのと同時に、大学でUNIXを触り始めた(Windowsはしばらく後になってからだった)のは、幸運だったな(謎

世界が均一化・標準化されるのを避けるための方法として、まず考えられるのは、インターネットの世界でも自分たちの言語が使えること

上記のくだりも、個人的には非常に学びがありました。少子高齢化が進むなか、日本語の将来ってだいぶ不安だなと思わなくもないけれど、それはそれとしてUTFの普及した現在の、なんと素晴らしいことよ。

国に対しては敏感に身構える人が少なくない一方で、企業サービスに対するプライバシー意識は鈍感だと言われています。

言われてみれば確かに......そういう傾向はあるかも。ただ、いわゆるビッグテックの存在が社会的に批判されるようになったのと前後してかしら、どれだけ便利なサービスを提供していようと、いやむしろ提供していればこそ、やはり全幅の信頼を置くのは怖いなって感覚はあります。

指針となるのが、インターネットにとっては「生命と地球のために」という視点です。このふたつを根本的な使命として、インターネットがガバナンスを考えていかなければいけません。

「生命と地球のために」、本当におっしゃるとおりですね。インターネットと宇宙開発、私がこれまで魅せられてきた2つの業界のいずれにもそういう視点なり倫理観、目的意識がますます求められるのでしょう。他の業界と比べ、地政学リスクが相対的に深刻化していない(しにくい)からこそ。

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