倫理的なWebの原則

2025年1月8日 著

W3Cの「Ethical Web Principles」に日本語訳、「倫理的なWebの原則」が存在することを知りました。履歴を遡れば3年ほど前から策定されてきたものですが、昨年12月12日に声明（Statement）としてW3Cが発行したものです。どなたか存じませんが訳者の方、ありがとうございます！

W3Cが声明を発行したのは、当時のニュース記事（Ethical Web Principles is a W3C Statement）を読むに、プロセス文書に規定されて以来、この「Ethical Web Principles」が初めてだったんですね。声明とは、公式な標準という位置付けではないものの、W3C内で正式にレビューされ、また承認を得た技術文書のことです。

閑話休題......私企業の運営するSNS、とくにX（旧Twitter）やFacebookが、トランプ氏の当選を背景として以前に増して政治化、先鋭化して映る昨今。そうしたSNSを含め、Webがどうありたいかを考えるうえで、この「倫理的なWebの原則」は広く読まれるべき文書と改めて感じました。

その割に、あまり知られていないというか、読まれていない気がしたので、全部で12ある原則を、以下に日本語訳から抜き出して紹介しておきます：

1. Webは一つである
2. Webは社会に害を与えない
3. Webは健全なコミュニティと議論を支援する
4. Webはすべての人のためにある
5. Webは安全であり、人々のプライバシーを尊重する
6. Webは表現の自由を可能にする
7. Webは情報の検証を可能にする
8. Webは個人のコントロールと力を高める
9. Webは環境的に持続可能なプラットフォームである
10. Webは透明である
11. Webはマルチブラウザ、マルチOS、マルチデバイス対応である
12. Webは人々が選ぶあらゆる方法で利用できる