定年前、しなくていい5つのこと
著
『定年前、しなくていい5つのこと 「定年の常識」にダマされるな!』は、比較的最近読んだなかではnot for meな一冊でした。割と楽観的な、安心させられるような内容が多かったのですが、結果かえって不安になってしまったというか笑。
多くの定年対策本やセミナーで語られていることは、あまり正しくないことが多いのです。その理由は、実際に「定年」を経験したことのない人や、定年の経験はあってもかなり昔のことだったりする人が語っているからです。
内容的に古すぎて参考にならない、というのを避けるべく出版年月日はチェックしたうえで本を買うようにしているのですが、この手の本については著者が「いつ」定年を迎えたかは確認していませんでした。確かに、著者が何歳の時点で書かれたものかを確認しないと、危ないですね。
年金については、正しい知識を持って、不安を煽る報道に惑わされないことが大切です。
もちろんそうなんですけど、そもそも何が正しいのかがよくわからない、というのが正直なところ。老後はひとり2,000万円が必要云々の話にしても、結局は切り取られた情報が拡散されただけなようですが......切り取られる前にまで遡ったり、遡った先にある一次情報を正しく咀嚼するのって、それはそれで結構なコストに感じてしまって以下略。
定年退職者にとって必要なのは「大きく儲けるためにリスクを取る」ことではなく、「購買力を維持するためにお金を運用する」ということ
このくだりは、納得感ありました。年金制度が崩壊したり異常に物価が上がったりしなければ、という前提はありつつも、大儲けする必要なんかないというのは御意。とはいえ、その前提がいつ・何きっかけで崩れ去るかわからないよな、という思いもあり......難しい。その種の不安につけ入ろうとする金融商品に手を出すつもりは毛頭ありませんが。
日常生活費のように経常的に発生する費用ではないものについては、定年後も何らかの形で働き続け、そこから得る収入やそこから貯めたお金を使うのがよい
上記は公的年金が支給開始される65歳からは、生活のレベルを公的年金でまかなえるように調整すればよい
という前提のうえで、ですけど、それができれば理想っぽい。しかしそこにも、じゃあ何歳まで元気に働き続けられるのかという懸念がついて回るわけで、結局のところ肉体的&精神的な健康の維持こそ最優先課題であり、健康にこそ投資せざるを得ないという、いつもの結論。