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仕事の技法

田坂広志先生の著作で、だいぶ前に読み終えていたけど覚え書きはしていなかったなかから、『仕事の技法』よりいくつか引用。

日常の仕事や生活においては、「言語的メッセージ」よりも、むしろ、「非言語的なメッセージ」の方が、支配的な役割を果たしている。

完全同意なんですが、コロナ禍を経てオンラインでのコミュニケーション比率が増えた現在を、田坂先生がどう捉えていらっしゃるか気になります。カメラ越しに「非言語的なメッセージ」をやり取りするのはまず困難だと思っていて、オフラインでのコミュニケーションの質・量を増すべきなのか、それとも......。

相手の「真意」や「本音」は、ほとんどの場合、この「言葉以外から伝わってくるメッセージ」の中にある

ここのくだり、「言っていること」ではなく「やっていること」がその人の本性、みたいな話に通底しているように感じました。そう考えると行動やその結果もまた、非言語コミュニケーションの一環であり、コミュニケーションモデルのロジスティクスたり得るなーと。

相手に対する「敬意」を持たず、相手を「一人の人間」として見つめず、あたかも「物」を動かすように、自分の思うままに操ろうとすること、それが「操作主義」

田坂先生の著書によく出てくる気がするキーワードの1つ、それが「操作主義」。上記はその簡潔な定義なんですが、過去の自分にはまさにこの操作主義的側面が色濃くあって、我ながらそういう自分を本当に残念に思ったし、いまだそこから脱却の途上にあると認識しています。

しかし自分のことを棚にあげるつもりはないけど今の世の中、あまりに操作主義が蔓延りすぎて生きづらい気が。デザイン界隈におけるダークパターンなんかも、操作主義の範疇に映りますし。「操作主義」は、必ず、見抜かれる。そして、相手の心が、離れていくはずなんですがね......。

人間であるかぎり、誰もが、未熟な自分を抱え、人生と仕事の問題に直面し、人間関係に苦しみ、自分の中の「小さなエゴ」に悩まされながらも、生きている。それでも、誰もが、懸命に生きている。一度かぎりの人生を、かけがいの無い人生を、良き人生にしたいと願い、誰もが、懸命に生きている。その姿を「尊い姿」と思えること。

有名人や、いわゆる成功者を見ると、上記の「誰もが」という部分を信じにくく感じます。だから、意識して「みんなそれぞれに悩み苦しんでいるはず、ただそれをご本人が表に出していなかったり、自分が知らないだけ」と思うようにしてます。本当のところはわからないし、知りようがないけれど、そう思わないと人生に救いがなさすぎる。

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