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経済評論家の父から息子への手紙

今年の元日にお亡くなりになった経済評論家、山崎元氏の最後の著作『経済評論家の父から息子への手紙 お金と人生と幸せについて』を読みました。東大に合格したばかりの息子さんに宛てて書かれた内容だそうですが、割と私の考え方と近い部分も少なからずあって、面白かったです。

資本主義経済は、リスクを取りたくない人間から、リスクを取ってもいい人間が利益を吸い上げるようにできている。

まぁそうでしょうね、という感想。似たようなくだりは本書に何度か出てきたように思っていて、別のページでは経済は「適度なリスクを取る者」にとって有利にできているとも。自分はどちらかといえばリスクを取りたくない側の人間だけれど、サンクコストは気にしないようにしているつもり。リスクを取る、と同義ではないけど笑。

自分が投資するものは、時間・努力・お金の3つだ。そして、投資で得ようとする対象は、①知識、②スキル、③経験、④人間関係、⑤時間、である。

時間を投資して時間を得る、というのがちょっと腑に落ちなかったけれど、他は概ね同意。「自分が投資するもの」には体力も含めたいところだけど、精神力と合わせて努力に包含されていると思えば、しっくりくるかな。あと、これは類別の仕方次第ではあるのだけど、形式知ばかりに囚われぬよう。暗黙知を得ることの重要性も挙げたい感じ。

「仕事は会食や飲食なしにできる」と言う人の多くは、たいして重要な話をしていないだけだ。

なかなか興味深いご意見。コロナ禍を機に世の中、そういう仕事絡みの会食、飲み会なんかが減ってしまったままの気がするけど、それでもなお「そういう」見方をされていたとはね。ともすれば、上司や同僚との仕事がらみの飲食を忌避する傾向があるらしき若手からは反発を受けそうな気も......私はどちらかといえば賛同できるかな。私が昭和の古い人間のせい、というのは認めます。

成功を収めるためには、夢中になって高度に集中する時期が必要なのが普通だ。もちろん、健康や家族などとのバランスも大切だが、ワークライフバランスは「ほどほどに」と言っておく。

上記も若者の反感を買うかもしれないなーとは思うけど、私のn=1の経験からすると、完全同意できます。自分の場合、完全にそのワークライフバランスってやつを自ら破壊しまくって家族や周囲にはえらい迷惑をかけてきたし、他人から真似されたいとは決して思わない(たやすく真似できるとも思わない)けど。

私は子供時代に、愛情が深いけれども厳しい母親の「愛と脅しの日々」の下に育った。そのおかげで頭が働くようになった面もあるし、対人的観察力が養われた面もある。しかし、物事の見方が悲観的で、自己肯定感が低く、自分にも他人にも厳しい嫌な性格に育った。

あぁ、なんとなく身に覚えが笑。母のことを悪く書きたいわけではないですが、なんていうかな......自分にも他人にも厳しい嫌な性格というのがその、まさに過去の私に当てはまるなって。直近5〜10年は、その嫌な性格からいかに脱却するかの、奮闘の歴史でもあったと思っているから。今は、割とこう良い意味で「適当」をやれるようになったと思っています、はい。

男の子にとって、早くから母親から離れて暮らすことは有益だ。母親の物の見方の外に出ることが大事だからだ。

なるほどねぇ、これはもっと早く知っておけばよかったな笑。

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