YOXOフェスティバル YOKOHAMA宇宙DAYS 2024 トークセッション
著
宇宙に関するトークセッションが複数予定されていたので、横浜で催されたYOXO FESTIVAL(よくぞフェスティバル)に参加しました。各セッションにはPeatixで事前登録が必要とされたいたのですが、現地では一度もチケットの提示を求められることがなく、謎。何のための事前登録なんでしょうね......人数の把握のため!?
宇宙生命~宇宙における地球生態系と生命の維持~
宇宙ユニットシンポジウムでよくお見かけしてきた、京都大学の山敷庸亮氏らのライブパフォーマンスからスタート。山敷氏は作曲やキーボード演奏、ダイビングもされていたのですね......なんて多才でいらっしゃるのだろう。お話は、基本的には人間単独では宇宙に定住できない=一緒に自然環境をもっていく、というコアバイオームの考え方の紹介が中心。またその将来構想としてヘキサトラックのCG映像(初見でした)を見せてくださいました。また、JAXAの桜井誠人氏はECLSS(Environment Controll Life Support System)を紹介。二酸化炭素の除去をデモしてくださったのだけど、石灰水が白く濁るとかすっかり忘れてました(最前列に座っていた小学生のほうが知ってた笑)。サバティエ反応は、共通テストに出るレベルらしいので頑張ろう(謎)。
宇宙居住~月と火星に住むために必要なもの~
鹿島建設の大野琢也氏のお話、自己紹介からして面白い......曰く「運と人脈はある、現実感はない」。故・ホーキング博士は「現代は人類の分水嶺」と言われたらしいですが......宇宙開発と関係なく、あっちこっちで戦争状態にあることからも実感してしまいます。宇宙に移住するうえでの重力の必要性、さらには人類のアイデンティティとしての1Gを力説されたわけですけど、そこは「トイレを想像すればわかる」ってのをもっと強調されたら良いのでは笑。そしてISASを卒業?された稲谷芳文氏の講演も面白かったです。ムーンビレッジを考えるうえでの論点紹介みたいな内容だったかな。結構、宇宙倫理学寄りの論点に言及されていたように聞こえました。人類絶滅の可能性を考えればこそ、月に移り住むことくらい余裕でできないと......との論に、一体どれだけの経済合理性を私たちは見出せるでしょうね?
観測衛星データを活用した持続可能な地上社会の実現と業界の課題
ワープスペースCSOの森裕和氏による講演。ただでさえ尺が短いセッションなのに、会場の機材(映像信号が届かずスクリーンにPCの画面が出せない)トラブルも手伝って、なかなかつらかったけれど、しかし聞いた中ではセッションタイトルに最も的確で、なおかつわかりやすい講演内容でした。持続可能な社会における地球観測衛星の役割として適切に管理された温室効果ガス排出量、効率的に管理された社会インフラ、適切に管理された食糧生産、適切に管理された自然資本、自然災害の早期検知・アラートシステムの5つを挙げていて、そうした衛星が活躍の場を広げる鍵が光通信とエッジコンピューティングである、と。
【パネル・ディスカッション】月・火星に「地球」を持っていける?
最後に聴講したのがパネルディスカッション。なんか、前のセッションとスケジュール的にぴったりくっついていて、会場間の移動時間が考慮されてないことに怒りが沸きましたが笑、まぁ内容的には面白かったです。「地球」を持っていけるかどうかには、正直、あまり触れられていませんでしたけどね。だって登壇者に投げかけた質問が、順に「1番好きな宇宙映画は?」「地球以外で1番住みやすい星は?」「火星にいつ住めるようになる?」「火星で住むために必要なものは?」だもの。ちなみに登壇者の一人に村木風海氏がいて、あぁ彼が東大中退で噂の......ってなりました。将来は二酸化炭素から食べ物をつくるみたいな夢まで豪語してましたけど、眉に唾をつけつつ氏の今後の動向を見守りたいです。それはそうと、宇宙開発をやっている人を甘やかしてはいけないっていう、稲谷氏の最後の言葉が全部持って行きました笑。