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田坂広志「21世紀の経営」を語る

本日、覚え書きをする田坂広志先生の著書は『田坂広志「21世紀の経営」を語る』。

すべての企業や組織が、「いかなる社会貢献をめざして事業を行っているか」が問われるとともに、「いかなる形でその長期継続性のための収益基盤を確立しているか」が問われる

問われ始めているとは思うものの、現行の資本主義の慣性だったり社会変化の加速によって、短期的な業績はどうしても問われ続けるだろうし、そもそも人間というのがそこまで長期的な目線を持てる存在ではない気もしていて。そのあたりずっとモヤモヤしています、自分のなかでの落とし所は結局のところ倫理教育の充実を急げって感じなんですけど。

我々の精神は、成熟するに従って、こうした「目に見えない価値」の大切さに気がつくようになっていく。

誰しもはじめは物事の見方が表層的であるがゆえ理解も浅く価値の掘り起こしも不十分、てな仮説を立てるなら然もありなん。そして成熟は同時に、目に見える価値と目に見えない価値の二項対立からどう脱するか、もがき始める端緒でもあるかな。両者の重みづけ、優先順位づけに悩む機会が増えるというか。

米国企業にとって「企業の社会貢献」とは、利益の一部を社会貢献の事業に使うことや、社会貢献の団体に寄付することであるが、日本企業にとっての「社会貢献」とは、そもそも、「本業」そのものを意味している。

日本企業、という主語がデカすぎるのでは......と思わなくもないです。もし本当に社会貢献と本業の同軸化が昔からできていたなら、SDGsウォッシュと呼ばれる事象が日本企業には起こり得ないって話にもなりますけど、実態はそうでもないですよね。

自分の商品価値を高めるためでも、数字の目標を達成するためでもなく、ただ「己を磨く」ために、腕を磨き続け、「道」を求め続ける。

個人的にはそういう生き方を目指したいとは思います。ただし、それで生きづらくならないためには、所属している組織や社会の向かうベクトルと自分の目指すベクトルがどこまでどう一致しているかの定期チェックが不可欠。許容範囲内で一致させ続ける限り、きっとうまくやっていけるんじゃないかしら......そう信じたいだけかもですが。

「顧客にいかに買わせるか」「顧客にいかに売りつけるか」といった操作主義は、現代のビジネスの水準を甚だしく低下させている

操作主義からいかにして脱却するか。これ、私個人にとっても極めて重要なテーマでもあったし、おそらく現行の資本主義とか企業経営にとっても不滅のテーマに感じました。それくらい、誰か・何かを思い通りに操作したい欲求というのは普遍的に存在していると思っていて。それを手放せたらどれだけラクになれるかとも常々、感じています。

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