なぜ部下とうまくいかないのか
著
何きっかけで買ったか忘れた『組織も人も変わることができる!なぜ部下とうまくいかないのか 「自他変革」の発達心理学』、個人的には not for me な本でした。二人の架空の登場人物のやり取りを通じ、成人発達理論ついて紹介しているのですけど、冗長な印象のやり取りが多いうえ、各章の最後にある振り返り的な著述がまたくどくて......自分には合わなかったです。とはいえ
私たちは必ずどこかの意識段階にいます。そして、世界の見える範囲や見え方は、意識段階によって決定されます。
というのは、どことなく経験に照らして納得できるなと思いました。視座を上げることで一度に視界に収めることのできる視野を広げることができるっていう感覚に近い。なので、自分のなかでは本書でいうところの意識段階が、そのまま視座の高低にリンクした感じ。なので
私たちは、決して自分よりも上の発達段階の世界観を認識することができません。
というのも、まぁそうでしょうねとしか。想像はできるかもしれないけど、実際に視座を上げたときに見える景色の広がり、視界というのはやはり、想像と異なって然るべき。そして
英語を話すのか日本語を話すのかによって、意識段階は変動する
という話も興味深い。英語で話すときって誤解を恐れずにいえば人格が変わると思っていて、良い意味でストレートかつプリミティブなコミュニケーションを心がけるようスイッチが切り替わる感覚があったけれど、その経験則とやや符合するかもしれません。
段階5に到達していくためには、構築した価値観を打ち壊していく必要があるのです。一度構築した価値観を打ち壊し、再び新たな価値観を作っていくプロセスは、「自己の脱構築サイクル」と呼ばれます。
このあたりは、守破離の言い換えに聞こえて仕方ありませんでした。ちなみに段階5とあるけど、それぞれの段階とはそれぞれ以下のように短く言い切られていました。これだけ眺めてもなんのこっちゃ、という感じではありますが。
発達段階1 具体的思考段階
発達段階2 道具主義的段階(利己的段階)
発達段階3 他者依存段階(慣習的段階)
発達段階4 自己主導段階
発達段階5 自己変容・相互発達段階