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科学技術の進展と人類の持続可能性

久々に激しくnot for meな本を買ってしまいました(けれど最後まで一応目を通した)。タイトルを見た瞬間、『科学技術の進展と人類の持続可能性』こそ今大学院で進めている研究に必須の一冊だったのでは?と思ったのだけど、全然そんなことありませんでした......やはりもうちょっと、立ち読みなどしてから購入の是非を判断すべきでした。

自分の受け取り方としては、本書の軸足は完全に科学技術の進展にあって、科学史であるとか、あるいは社会的に見たときの科学技術の現在地みたいなものを学ぶには良書かもしれません。しかし、タイトルからすればもう一本の軸であるべき人類の持続可能性については正直、ほとんど触れられていません(おまけ程度)。

例えばp.171〜172で、富岡製糸場に触れているのだけど、同工場がSDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発のための目標)にも取り組んでいたといえますなんて、まるで取ってつけたように紐づけているとしか読めませんでした。それで言ったら人権に一定の配慮をしたあらゆる事物が該当してしまいます。

そもそも本書、宇宙開発にはほとんどと言って良いほど触れられていなかったですしね......宇宙といえば、第3章「宇宙の存在」の中に「3.3 生物工学」が含まれている構成も、自分にとっては不思議を通り越して違和感しかありません。まぁ宇宙はそれ自体がビッグワードなので、ベン図的に最強というのは間違いないのですが。

以下は豆知識的に「へえ」と思った記載(本当かどうかは未確認):

また、p.124に出てくる米国のアポロ計画で使われた宇宙服の写真(図3.1.4)は、本当にアポロの宇宙服なのだろうか?と疑問に思いました。見た感じハードシェル構造ぽくて、画像検索したところ、<大阪府>大阪万博のアメリカ館で展示された宇宙服の写真素材 [72942824] - PIXTAに近しく、EXPO'70で展示されたものであることは確かなようですが、アポロ計画のものではないのでは(少なくとも実用化された宇宙服の写真ではないのでは)との疑念が拭えません。

最後に、唯一?見つけた誤記っぽいのが、p.25の「分割できないもの」というの意味を持つアモトンのところ、「の」が一字余計です。

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