宇宙ビジネス入門
著
近年の宇宙ビジネスの動向については割とこまめにニュースをチェックしているほうなので知った気になっていたけど、改めて振り返ると書籍で学んではいなかったなあと思い読んだのが『宇宙ビジネス入門』。少し古い本だけに、既に聞き知っていた内容は多かったけれど、やはり書籍にパッケージ化された形で全体を眺めることができるのはありがたい。著者の石田真康氏、お名前は以前から見かけていましたが、エピローグで
筆者自身、宇宙ビジネスに関わりを持つようになったきっかけは、2012年にHAKUTOのボランティアを始めたことだ。
とあって、意外とニアミスしていたのかもしれないなあとか思いました。自分がHAKUTOの前身であるWhite Label Space(ホワイトレーベルスペース)にボランティアで参加していたのは、2011年かそれぐらいだったので、時期が被ってはいないと思うけれど。
オービタル・インサイトの技術を使い、家やクルマの数、ビルの高さ、農地面積などを測定することで、経済発展指標としてのデータ収集を検討している。
上記はオービタル・インサイトと世界銀行のプロジェクトに関する記述で、そりゃまあ解像度は上がってきてるんだしそういう使い方もできるか、とは後から思ったけれど、衛星画像から経済動向を把握するというのは面白い。同じくオービタル・インサイトの話で
同社は世界の石油備蓄タンクの残量をモニタリングするサービスを行なっており、衛星画像解析からこれまで業界統計に載っていなかった5000の石油備蓄タンクを発見した(計2万タンク)という。
てのもすごく面白い。どういう原理で残量がわかるかといえば、赤外線でタンクの表面温度を測るらしいけれど、ほかにどんな画像解析の応用例(そしてもっといえばSDGs的な社会課題解決への適用例)があるか、調べてみようと思いました。
なお、1箇所誤字を発見。「6 日本の宇宙ビジネス」に出てくるくだりで、正しくは「宇宙開発利用大賞」とあるべきところが「宇宙開発利用対象」になっていました。