人類は宇宙をどう見てきたか(シリーズ〈宇宙総合学〉2)
著
シリーズ2冊目、『人類は宇宙をどう見てきたか(シリーズ〈宇宙総合学〉2)』の中から、特に興味深かったところをいくつか。
すでに知っていることを出発点に,別のことが説明できたとき,人は理解できたと感じるものですが,特殊相対性理論の場合にはそうはいきません.とにかく,「光速度不変」は原理なのであって,その正しさは実験で確かめられた事実なのです.
NHKスペシャルの『アインシュタインロマン』に(良くも悪くも)ハマっていた当時は、この手の話が大好きだったことを懐かしく思い出しました。それ以上に、理解に至るプロセスについて日頃考えることがあまり無かったので、妙に納得をしました。
同じ酸素原子なのになぜ緑と赤に分かれて見えるのでしょうか.その鍵は光が出るまでの時間差にあります.
これはオーロラの色に関する説明のくだり。大昔、イエローナイフまでオーロラを見に行ったことがあって(4泊したうち見れたのは2晩だけだった記憶)、その当時にはオーロラに関する本も何冊か読み込んだうえで赴いたはずだけど......すっかり忘れちゃってたな。ただ、発光の理由も動く仕組みもいまだに解明されていないらしい、というのがまた面白い。
どんなに大きな望遠鏡をつくっても,その望遠鏡から直接お金を儲けることはできません.
いや真理ではあるのでしょうけどなんかこう......言い切ってる内容が内容だけに、ものすごく残念感があるし、つらいと思ってしまいます。基礎科学の探究は本質的に経済的に不合理なのかとか、考えてしまいます。
「嘘をつかない体,嘘をつく心,嘘をつけない魂」という3層のそれぞれの特性が私たちの苦悩や痛みの源泉ともなり,また,解決の道筋を示す源泉ともなります.
これは第5章「宇宙と人の心と宗教」からの引用ですが、すごい......よくわからないけどすごい。宇宙についての本で、このようなくだりが出てくること自体がすごいけど内容もすごい。魂の実在とか、心と魂の違いについては、いまひとつ腑に落ちていませんけど。