人類が生きる場所としての宇宙(シリーズ〈宇宙総合学〉1)
著
何度もKindle化リクエストを送ったけれど、一向に実現されないので、仕方なく紙で買ったのが『人類が生きる場所としての宇宙(シリーズ〈宇宙総合学〉1)』。本書に限らずシリーズ4冊全部、紙で買いましたよ......というのはさておき、本書も宇宙開発広報についての研究の一環で読了。
意欲的な中学生・高校生や大学初年生であれば理解できるように,できるだけ予備知識がなくておも読み進められるように書かれています.
ってあったけど、第3章の「宇宙機の軌道設計」は正直、何書いてるのかさっぱりわからなかったな......いやそういう「いかにも」な分野もちゃんと一緒くたにされているのが宇宙総合学としての面白さであり魅力でもあると思うのだけど、これ中学生が理解できたら相当すごいと思います。
スペースシャトルが地球の大気圏に突入して高度60kmくらいになると,空気密度が濃くなり大気との摩擦熱によって,スペースシャトルの表面は,摂氏1500度以上の高温になります.
これ、土井隆雄氏が担当した章からの引用なのだけど、摩擦熱警察になぜ引っ掛からなかったのだろう。断熱圧縮に由来するという説明が科学的に正しいとばかり思ってきたけど、スペースシャトルに乗った当の土井氏自らこう説明されているとなると......?
太陽で起きないと思われていたのが否定できなくなった,というのは,東日本大震災を経験した日本人としては黙っているわけには行きません.そういう思いで,僕らはこの論文を書いたんですけれど,書かせてくれませんでした.Natureはちょっと政治的な雑誌ですね.
上記はスーパーフレアに関する柴田先生の述懐。今この瞬間にもスーパーフレアが発生し、人間を含め地上の生態系が壊滅的なダメージを受ける可能性がゼロではない、というのは宇宙開発なり宇宙進出を進める正当な理由になり得る、と感じました。第1章の太陽フレアは地震と似ています
というくだりも、よく理解できます。
2012年に雪に埋もれた車中に約2カ月閉じ込められたスウェーデン人(45歳)が救出されました.
そんなことがあったとは......人体の神秘というか人工冬眠の可能性を感じてしまう!!
そもそも宇宙開発をするべきなのか,あるいは,宇宙開発をするにしても,それは人間が行くべきなのかどうか,誰がお金を払うのかとか,そういう問題が宇宙倫理の守備範囲です.
宇宙倫理学については既に別途2冊、専門書を入手していて、研究の一環で読む予定。