フェイクウェブ
著
大学院の何かの授業(覚えてない)で紹介されたのがきっかけで、『フェイクウェブ』を購入・読了。断片的に知っていた事柄も多かったけど、さして詳しくはない分野なので、概観するには良かったかなと。
フェイクニュースが拡散する背景には、必ずしも悪意だけが存在するという訳ではないことも問題を複雑にしている。
上記は、『ハイブリッド戦争とSNSによる「見えない支配」』という章からの引用なんですが、まさにそういうところが難しいなと。「地獄への道は善意で敷き詰められている」という格言? も引き合いに出されてたけど......ちなみにWikipediaによるとヨーロッパの諺らしい。Hell is full of good meanings, but heaven is full of good works.
とも。
行動力があり、正義感もあり、世の中をどうにかしたいという気概に満ちた中高年は、フェイクニュースが出てくると、『許せない』という思いでリツイートしてしまったりする
上記は足立義則氏の言葉だそう。自分が行動力、正義感があるほうかはわからないけれど、世の中をどうにかしたいと思っている側との認識はあるので、注意するようにしたい。とはいえ、内容の真偽を確かめるコストを払いにくい状況では地味にストレスを感じてしまうな。
フェイクニュースもまたサイバー攻撃と同様、それを仕かける側に比べて、防御側のコストが圧倒的に大きいという非対称性(不均衡)を持つのが大きな特徴
今通っている大学院に進学していなかったら、情報の非対称性について真面目に考えることは死ぬまでなかったかもしれず、感謝しています。というのはさておき、あらゆる局面でその手の非対称性に目を向けようとすることで、受信者にも発信者にも偏らず分析者という第三の視点を手に入れやすくなったなと。本文にあまり関係ありませんがw
もし検索結果やSNSに出てくる情報が、あなたが強く同調するものばかりだったら、それは危険な兆候かもしれない。
上記は、フィルターバブルのお話。これもまた、フェイクニュースのRT云々と同じく、改めて注意しなければならないポイントだなと思いました。言うはやすし、ですけどね。