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Re: 親に「大学に行け」「公務員になれ」と言われ続けて38歳で手取りが10万9000円になった話。

親に「大学に行け」「公務員になれ」と言われ続けて38歳で手取りが10万9000円になった話。 - 幸せの非正規ブログを読んだ感想。書きたいことは概ねTwitterのほうで書いてしまったけれど、思考の整理を兼ねて覚え書きしておきます。

まず、もしかしたら自分も記事の著者と同じ類の過ち? を犯していたかもしれない、という思いがあります。小学生の頃、将来医者になることを親から強く求められた苦い記憶があるからです。幸い、自分は著者ほど親に対して従順ではありませんでした。卒業アルバムに載せる作文には、親の意に反して、ロケットを作りたいみたいなことを平気で書きましたからね。

そして、親が願っているだけの未来を押し付けてはいけないとか、最終的に自分で進路を決められる人間を育ててほしいといった著者の主張には強く共感するいっぽう、親には子供を幸せにする義務があるという考えには、賛同できないでいます。義務があるとすれば、それは子供を自立させること、に尽きるのではないでしょうか?

無論、子供の幸せを願わない親なんて、いないでしょう。しかし、それと実際に幸せにできるかどうかは、まったく別のお話だと思います。親が思う子供にとっての幸せが、子供本人が思うところの幸せと一致するとは限らないからです。なので、親にできるのは「せいぜい」子供の幸せを願いながら、彼/彼女の自立を手助けすることだと、自分は考えています。

まぁその手助けというのがまた、えらく厄介というか曲者で、難しいんですけどね。親としては当然、自身の成功/失敗体験に基づき助言をするものだけど、ジェネレーションギャップがあるぶん、助言が果たして今の時代背景に則した、子供にとって有効なものか疑わしいわけです。その点は自分自身、親の立場として難しいなぁと常々感じています。

無責任な親だと思われるかもしれませんが、自分のアドバイスなり体験談が必ずしも役立つとは限らないよ、みたいなことは正直に子供に伝えています。世代のずれ以上に、たとえ血の繋がった親子であっても、異なる人格をもった別個の人間同士なのだという点は、よくよくわきまえなければという一種の危機感が自分にはあるし、そういうスタンスで接することでしか子供の自立心を喚起しにくいように思うから。

著者のご両親にとっては大学に行くこと、公務員になること、の2つが揃えば子供は幸せになるに違いないと、信じていたのでしょう。ご両親の思いと、著者の思いとが、いつの時点でどこまですりあわせることができていたか、記事からだけでは読み取れませんが......何となく、上述の「親が思う子供にとっての幸せが、子供本人が思うところの幸せと一致するとは限らない」という価値観が、共有できてなさそうな親子に思えました。実際のところは、もちろんわかりませんけども。

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