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「ポスト真実」時代のネットニュースの読み方

大学院で「ライティング・エディティング」と「デジタル社会論」の2つの授業でお世話になった、松林薫氏の著書『「ポスト真実」時代のネットニュースの読み方』を読了。ネット情報との付き合い方の本なのだけど、後者の授業の良い復習になった感じ。

ネット時代のジャーナリズムにおいては、受け手は単なる消費者ではありません。情報の生産の一部を担い、その流通においても大きな役割を果たしているのです。

上記の構図に至る社会的な変化は、好むと好まざるとにかかわらず既に起きてしまった不可逆変化ですが、よくよく考えると物凄いインパクトだなと。ジャーナリズムの抱える葛藤や課題を市民も引き受けなければならない時代が来ているともあるけど、変化のスピードのほうが速すぎて、相応しい教育が間に合っているとは、到底思えませんね......。

メディアをピラミッド型の序列構造で捉えるのではなく、それぞれが複雑に影響し合い、相互依存、相互監視するような「生態系」として捉える必要があるということです。

この喩えはなるほど面白い。見方によっては秩序から無秩序へ、統合から分化へという変化をも表しているのかも。しかしその生態系を捉えるのは、一筋縄では行かなそう。このくだりより前で報道を見るときはこうしたビジネスモデルに起因する利害関係者の存在は意識しておく必要があるともありましたが、そう簡単かつ即座に意識できるものでもない(そもそもビジネスモデルまで思いが至りにくい)と思われ。

インターネット上の書き込みなどを見ていると多くの場合、議論は「討論」と混同されているように見えます。別の言葉で言えば、勝ち負けを競う単なるディベートになってしまっているのです。

確かに、思い当たる節は、あります。というか自分自身、混同してしまうことが間々あるような......反省。どちらか一方が考えを改めることは悪いことではないし、より良い結論に辿り着くことこそが大事......という価値観なり前提が共有できていないと、自分だけ言動を改めても辛いかもだけど。

言論での勝負では、声が大きい人、思い込みが激しい人、そして恥を知らない人が強いことは皆さんのご承知の通りだと思います。

ちょwww

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