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グレート・リセット

2020年も残すところ1ヶ月を切りましたが、自分の中で今年読んで良かったオブ・ザ・イヤーは、既に『グレート・リセット ダボス会議で語られるアフターコロナの世界』で確定しています。コロナ禍によって、さまざまな不安やストレスに日々苛まされているけれど、まだいくらか未来に期待が持てるというか、一種の希望を抱かせてくれた本でした。ちょっと、日本にヨイショし過ぎてる感じがアレですけども。

人の脳は、線形に、筋道を立てて思考するようにできている。しかし、私たちを取り巻く世界は非線形に動く。複雑で、状況に応じて変化し、目まぐるしく、とらえどころがない。

人の脳、確かにそうできている気がするし、そうではなく単純にラクをしたいだけという気もするんですよね。複雑な事象を前にすれば当然ストレスがかかるから、敢えて単純な事象ばかり選択的に見ようとしたり、理解できるレベルまで事象を分解してとらえたがっている気がして。

ポストニュートン力学の古典的な(線形で予測可能であり、ある程度決定論的ですらある)世界は、量子力学的な世界に取って代わられた

賛否両論あるにせよ、仮に上記の主張に賛同する立場をとるなら、昨今の目まぐるしい社会的変化にはいろんな点で納得ができそう。そう解釈できる程度に、世の中の複雑さを感じ取れるよう人類が進化したのか、それとも人類が進化した結果としてその種の複雑さを自ら生み出してしまったのかは、よくわからない。

幸福かどうかを左右するのは物的消費の多さよりも、利用可能な医療サービスの充実度や社会構造の安定性といった無形の要素だと気づけば、多くの人々が環境を尊重し、節度のある食べ方を心掛け、他人に共感し、寛容に振る舞うことに、より大きな価値を見出し、これらが新しい社会規範の特徴になっていくかもしれない。

なっていくかもしれない、というか、そうなって欲しいし、そうするよりほか地球という閉鎖環境で文明を存続させる道はないとすら思えます。と同時に、World Wide Webの普及・発展と有人宇宙開発、これら人生において自分が重視してきた2つの軸というのは、全人類によるグローバル視座の獲得という点で、実は同じゴールを共有していたのだなぁと気づかされました。

最近発表された持続可能性に関する報告書によると、電子機器やデータ通信に消費される電力から出る炭素の量は、全世界の航空業界が出す炭素の量とほぼ同じだという。

......つらい。

リセットは野心的な挑戦だ。野心的過ぎるかもしれない。それでも、やらないという選択肢はない。私たちは全力で取り組み、やり遂げなければならない。肝心なのは、世界の分断をなくし、汚染や破壊活動を減らしながら、パンデミック前の世界よりも寛容で、公平かつ公正な世界を作ることだ。

そう、やるしかない。後の世で、やれたかも委員会(謎)が組織されることのないよう、やるしかない。少なくとも自分個人としては、そういう動きに与したい。なお「1.6.2 接触確認、接触追跡と監視」で「干渉的せず」という誤記がありました(正しくは「干渉せず」)。また「2.1.4 ステークホルダー資本主義とESG」で「株式市場の欲求を満たそうとしと」は「満たそうと」の誤記ですね。

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