Modeless and Modal
著
著者である上野さんにビールを奢るべく購入した『Modeless and Modal』について。過去、オンライン(Modeless and Modal | Just another Modeless Design site)で読んではいたのですけど、やはり電子書籍としてパッケージ化されたものを購入することで得られた、いつでも気軽にオフラインでも読める安心感というのは、ありがたいなと思います。
久しぶりに改めて通読して、何箇所か誤字に気がついたのですけど、修正されていないのは意図的だったのですね。「After 10 Years」で加筆修正は行わず、ただ10周年の記念として、思い出深いこのブログを電子書籍の形にまとめたもの
というくだりに続けて、以下のように記されていました:
推敲もせず、誤字や言い回しのおかしなところもあります。何度かそれらを修正して全体を書き直そうかと思いましたが、ファーストアルバムの疾走感を残そうと、わざと公開当時のままにしてあります。
なるほど、であればいちいち個別に指摘をするのは野暮ってものですね......と思いつつ、自分が気づいた限りで誤記を列挙しておきます:
- 「Class」より:
まるで生きた個体として独自に発生したかの見えます
......「したかに見えます」の誤記 - 「Design Patterns」より:
基本的なイディオムが確率された
......「確立」の誤記 - 「Message」より:
ユーザーのスキルにも多く依存いています
......「しています」の誤記 - 「Message」より:
モーダルな道具と対象的です
......「対照的」の誤記? - 「User-Side」より:
これらの関節的なコマンド指示
......「間接的な」の誤記
あとはやはり、専門用語や略語の類に注釈が欲しいなって思ったのと、書籍内における相互参照があればなーと思いました。文中に唐突に「浅野さん」て出てきても、僕はまぁわかりますけど、一般的には誰(「どの」浅野さん)かわからないだろうし、「前に書きました」みたいな表現が出てくるたび、前ってどこなのか具体的に書いて(リンクして)欲しいなーと思ってしまって。それらも全部ひっくるめての「疾走感」だとは、理解したのですけど。
そういう野暮なことはさておいても素晴らしい内容で、自分には今でも十分、感動的な一冊です。上野さんてすごくロックで詩人だよなぁとか、そんなことも感じましたね。そして僕個人にとってのモードレスとは何なのか、モードレスのどこがどう魅力的なのか、モードレスとアクセシビリティの相関、そして両者と資本主義の相容れなさ......そんなあたりを感想としてちゃんと言語化したい欲求に駆られつつ、頭の中がいまだ交通整理できない悲しさよ。まぁいずれはできると信じ、繰り返し読み直したいと思います。