Re: 45歳で転職 「スター・ウォーズ」で活躍の日本人は元証券マン！

2019年12月30日 著

45歳で転職 「スター・ウォーズ」で活躍の日本人は元証券マン！を読んで。記事で取り上げられている成田昌隆氏については、過去にもインタビュー記事を読んだことはあるけど、覚え書きし損ねていました。自分より10歳年上なので、同年代というわけでもないのですけど、テレビで見る洋画やプラモデル作りが好きでいらっしゃったあたり、一方的にすごく親近感を覚えます。

シリコンバレーでのコンピューターの展示会で、たまたまCGのソフトウェアを見かけたんです。これを使えば自分でも作れると思い、その場でソフトを買いました。97年のことです。

平日は仕事から帰った6時くらいから夜中の1時くらいまで、土日はフルで勉強を続けました。年に1本のペースでアニメーションを作り、プロダクションに送ったんです。

97年当時のCGのソフトっていうと、そこそこの値段がしたのではないかと思いますが、勉強時間を含め、やりたいことに真っしぐらに突き進んでいくそのエネルギーとか自己投資のセンスが半端ない。今より？Webに没頭していた若かりし頃は、自分も最新スペックを求め毎年ノートPCを買い替えたり、本も廊下に積んで並べるくらい買って読み漁ったりしてたけど、そういうエネルギーは気がついたら失ってしまっていたような（そしてその言い訳に加齢に伴う老いを挙げる）。

退路を断つ意味で会社を辞めてハリウッドに引っ越しました。45歳のときです。子どもは14歳と9歳。まだまだお金もかかりますが、妻は反対しませんでした。僕が映画の世界に入りたいと一生懸命やっている姿を見てきたし、証券業界の仕事には向いていないと感じていたようです。

この判断力も凄い......なかなか真似できないことです。自分がいま46歳で息子が14歳ですけど、まさにこのタイミングでガラリと環境を変えるのがどれほど困難な挑戦か、想像もできません。この手の美談っぽい話には大抵裏があるものだし、そうでなくても「父親一人の夢に付き合わされ、振り回される家族」みたいな見方はできなくもない。だけども根っからの努力家というのは家族全員の知るところだったでしょうし、そもそも名古屋大学工学部を出ているくらい優秀でらしたわけだから、成功は皆さん疑ってなかったかもしれない。

僕はこれをやろうと思ったら、「保険」をかけず、将来のことも考えず突き進んできました。確率が低い中、たまたまうまくいったわけですが、突き進んで良かったと感じています。

故Steve Jobs氏の語った「Connecting The Dots」そのもののような物語。憧れるし、正直ちょっとした嫉妬心も覚えます（おこがましいにも程がある）。改めて、有名なフレーズ「他人と過去は変えられないが、自分と未来は変えられる」を思い起こしながら、自分も自分なりに突き進まなければ......と思わされました。ありがとうございました。