第38回 W3C CSS Module 仕様書もくもく会@東京
著
株式会社まぼろしで催された第38回 W3C CSS Module 仕様書もくもく会@東京に参加しました。今回のお題はCSS Logical Properties Level 1 (日本語訳)、文章量としては少ない部類だけれど全体的にややこしく感じるし、多言語コンテンツで便利なのだろうという気はするもののユースケースがもっと欲しい感じ。というかこんな複雑な仕様、本当にニーズあるんだろうか......かえってスタイリングを面倒臭くしているかの印象が強いのは、単に自分の理解が浅いだけだからだろうか。にしても意外とサポートが進んでてビビるんだけど、以下気になったことなど:
制御する能を供する
......出だしからかっこいい。物理的とは、ページ全体に相対的な方向に基づくこと
......わかるような、わからないような。書記体系
という訳語がwriting systems
に当てられていて、それは納得なのですけど、要約のところに書字モードに相対的
とあるからして、そこは書字モード(writing-mode)ではいけないの? 統一してた方が良くない? という気持ちがふつふつと。あるいは、書字方向(writing direction)で統一?多言語の文書では,両書記体系に則って収容する必要があるので。
......必要がある、で文が終わってた方がまだわかるような。英語ではこう、アラビア語ではこう、それを受けて(accordingly)多言語の文書ではこうなる、みたいな。ページ上のボタンの落影は一貫し続けなければならない
......確かに、そこの一貫性が損なわれれば、ユーザーに現実世界とのギャップ=何かしらの気持ち悪さをもたらすかもしれない。CSS 特能
って、featuresを特能と訳されているのですが、個人的には違和感が強い。on the parent
に当てられた親上の
という訳。親要素(ないし、意訳して「祖先要素」)とかにした方が通じそう。www-style@w3.org 宛に送信されたし。
......この訳し方はとても味わい深くて好きです。resize
プロパティ、使ってなさすぎて何だっけってなったけれどすかさずresize - CSS: カスケーディングスタイルシート | MDNをチェック。UA により 左ページか右ページ のいずれかに分類される
......日常的には全く意識してない。そもそもこれはどこで規定されているのだろう? ページメディアとか見たけどわからない。作者は、要素の書字モードを親から変更するときに,対応付けの正しいふるまいを得るためには、要素を入れ子にして利用する必要もあり得る【?】。
の最後の疑問符は、訳者の疑問なのだろうか。自分もよくわからないけれど、本来は要素を入れ子にせずにスタイル付けできる状況であっても、敢えてそうすることで見通しをつけやすくするとかそういうこと?未解決の問いがいくつかある: 継承と, フロー相対プロパティにおける対応付けは、どちらが先か? / 略式プロパティと論理プロパティとの相互作用
ってすごく問題なのでは? 実質、使えないような気がしない?
SlackのほうでXとYはどうなんだろうね
って発言に端を発し、座標系の取り扱いについて考え始めてしまってもう頭がわけわかめ。[css-sizing-4][css-logical] How to use aspect-ratio in a logical manner? · Issue #3958 · w3c/csswg-draftsなんてものまで見てしまったからさァ大変。ふと予備校時代に、物理の授業でかの山本義隆氏が座標の取り方は自由だ!!みたいなことおっしゃってたなー的なことを思い出したけど、その手の変換なり翻訳? を脳内で強いられるのは苦痛でしかないし、なんていうかどこまで論理的な表現って必要なんですかね人類。