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Re: [メモ] Google検索ランクとWebアクセシビリティの関係って、どんな感じ?

Drafts about A11Y: [メモ] Google検索ランクとWebアクセシビリティの関係って、どんな感じ?という記事を読んでの感想です。同記事が言及しているのは、末尾にリンクのあるNew Study Reveals Positive Impact of Page Speed on Google Rankings | Virtual-Strategy Magazineという記事で、見出しの3. Websites are neglecting accessibility for the visually impaired以下でアクセシビリティに特化した内容が記されています。閑話休題。

パフォーマンスや最新技術の導入、SEO対策に熱心なサイトもアクセシビリティには無頓着、という事実が透けて見える。うっすら気がついてはいたけれど、こうして数字で見せられると結構残念な気持ちになる。

なるほど確かに(事実として無頓着なのかどうかはさておき)残念な感じです。もうかれこれ4年前にアクセシビリティがGoogleのランキングシグナルになる日という記事で、モバイル対応の度合いや表示パフォーマンスに次いでランキングシグナルに採用されるのはアクセシビリティ品質に違いないと予想したのだけれど、いっこうに的中しそうにない(苦笑)。まぁ、Lighthouseの監査対象にアクセシビリティが含まれている点からすると、諦めるにはまだ早いかなと思っているのですけど。

筆者のようなスクリーンリーダー使いにとって、アクセシビリティが低いサイトはどんなにロードが高速であろうとも、セキュリティが高くとも使いにくい・使えないサイトになってしまう。そんなページが検索の上位に表示されるのはちょっと困っちゃうのである。極端な話、筆者にとってスクリーンリーダーで内容を把握できないページは「404 Not found」と同じだ。
どんなユーザーでも平等にアクセスできる、というのはWeb品質における最低ラインであるべきだと思うんだけど、どうでしょうかね。

いやまったく、ごもっともです。自分もそう思うからこそ、仮に受託のWeb制作会社が発注元に対し担保すべきWebコンテンツの品質をただ一つ選べと問われれば自分はアクセシビリティと答えるし(誤字脱字やリンク切れの有無、レイアウト崩れの有無など、他にも担保すべき品質が多くあるのは承知していますが、自分は基本Webアクセシビリティ・ファーストなので)、勤務先では長年「そういう」旗振り役を務めてきたつもりではあります。なかなか、業界全体を巻き込んで「そういう」品質基準なり価値観を根付かせるまでには、自らの力不足ゆえ至っていないわけですが。

Webアクセシビリティの重要性は包括性とか来訪者の最大化とか色々な側面で語られてはいるけど結局訴訟リスクとか検索ランクへの影響とかみたいな「わかりやすい飴と鞭」がなければ大きく動かないのかもね、といち視覚障害者としてぼんやり考えるのだった。

その点も同感で、かつ自分はそういう「わかりやすい飴と鞭」を今の日本において内発的に作り出すことは難しく、結局のところ海外からの外圧によってしか国内状況は改善できないかもしれない、などとやや悲観的に考えています。既にその手の外圧は、ACAAみたいなかたちで実在するわけですけども......Webに魅了され、またWebの可能性を信じ、Webデザインに長年従事してきた一人としては、法制化やGoogleの力に頼るまでもなく、ただひたすら自分の可能な範囲において、地道にアクセシビリティの重要性と必要性を啓発しつつ、アクセシビリティ向上の実践に取り組むのみ。

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