家族ががんになりました
著
『家族ががんになりました』は、先日逝去した義父が闘病中に読んだ一冊。Kindle版があったから問答無用でそちらを選んだのだけど、買ってびっくり固定レイアウトだったのね......おかげで文字サイズを大きくしようにもページ全体が拡大されてしまうし、マーカーで線を引くこともできず、とても難儀しました。それと知っていればおそらく別の本を買っていたはずなので、Amazonにはもうちょっとこう分かりやすく目立つように固定レイアウトである旨を書いて欲しい気がします。
閑話休題。リフロー型で無い点はそれはそれとして、内容的には良かったです。序章プラス全4章から構成されていて、第1章「家族ががんになると」第2章「がん治療について知る」第3章「がん患者を支える」第4章「あなたがつらくなったら」という章立てからもわかるように、まさにがん患者を持った家族に向け必要な知識や技術を記しています。自分はそもそも、なぜがんに罹患するのかというのを実はわかっていなかったのですが、遺伝子のコピーミスが原因
というのが第1章で分かりやすく書かれていました。
実は、このようなコピーミスは珍しいことではなく、毎日5000個も、がん細胞は発生しているといわれています。それでも私たちががんにならないのは、免疫細胞が攻撃してすぐに消去してくれるからです。
しかし、あまりにもコピーミスが多すぎたり、免疫力が低下していると、消去が追いつかず、がん細胞が残ってしまいます。これがとめどなく分裂を繰り返して、かたまりになるのです。
がんはありふれた病気であり、早期発見できれば治療可能とはいうけれど、やはりできることならそもそも罹患したくない。そのためにできる予防といえば、免疫力を維持するよう心がけるしかないのかな。科学的根拠に基づくがん予防には、がんリスクを減らす健康習慣
として「禁煙」「節酒」「食生活」「身体活動」「適正体重の維持」の5つが挙げられていて、「節酒」「食生活」の2つは微妙に自信がないけれど、それら以外は今のところ大丈夫だから、引き続き頑張りたいところ。そして第4章からの引用:
体は病魔にむしばまれても、どのような苦しい状況にあっても、人間の心は成長していくのです。これは、人間に備わっている尊い能力といえるでしょう。
心的外傷後成長、という言葉は本書で初めて知りました。患者自身も家族も、そういう成長を遂げる可能性があるというのは素晴らしいと思うし、またこの先の人生で自分や身内ががんに罹患したとしても、それをきっかけとして成長できることを信じたいです。