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日本出版学会 第5回出版アクセシビリティ研究部会/デジタル研究部会

2月27日の覚え書き。本当は諸般の事情によりとても参加できるような状況になく、よほどキャンセルしようかとも思ったのですけど、やはり村田さんのお話「アクセシブルな電子書籍のために:標準化に出来ることと出来ないこと」はどうしても聞いておきたくて、日本出版学会 第5回出版アクセシビリティ研究部会/デジタル研究部会に参加しました。会場は図書館流通センター図書館総合展で過去にお世話になってはいたけど本社にお邪魔したのは今回が初めて。すごく真新しい感じのする、素敵なビルでした。

冒頭、本イベントを企画された植村要さんからお話があって、電子書籍のアクセシビリティはコンテンツだけで改善は難しく(例:ナビゲーション)、ビューアーや電子書店といった関わるそれぞれの立場で何をどこまで頑張るか、守備範囲の切り分けが必要......というような企画趣旨の説明があって。それはWebも当然そうだし、他のあらゆるアクセシビリティも同様の状況だろうと思いつつ、こと電子書籍に関してはますますその切り分けが今後のアクセシビリティ改善に向けた肝になってきているのだろうという印象を受けました。

村田さんの講演で使われたスライドは、ありがたいことにJEPAのサイトで公開されています(PowerPoint形式、JEPA|日本電子出版協会 日本出版学会 第5回出版アクセシビリティ研究部会 講演資料参照)。まぁ色々優しく噛み砕いて解説してくださったのですけど、改めて重要だなと思ったのが紙の本が読めない 読み難い状況とその原因 · Advanced-Publishing-Laboratory/A11Y Wikiにあるまとめ。Webアクセシビリティ文脈でも取りざたされることの多い、障害種別の紹介でありますが、こういうのを眺めるにつけますます、読書バリアフリー法が必要なのだろうと感じます。

質疑応答の時間では、最前列に座っていたのが災いしてか、データ表の扱いについて質問が出たときに村田さんから「答えてくださいよ」と頼まれてしまい、急遽回答する立場に(滝汗)。というのはさておき印象に残ったのが、終盤にとある男性から、細かいところは言葉通りではなかったかもしれないけれど「45年前、車椅子ではバスに乗れなかったが、今は乗れる。電子書籍はなぜいまだアクセシブルになっていないのか。関係者は何をやっているのか」といった趣旨の発言が飛び出したこと。いやまったく耳が痛い......自分も、末席ではあるけれど関係者の一人という認識ではいるので、叱咤激励をいただいたと前向きに解釈し頑張るしかないです。結局のところ、より強力な法制化でしか前進しないだろうとの諦観は、それはそれとして(謎

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