Fw: Pellicule
著
昨夜、家でbayfmを聞いていたら流れてきて、ものすごく聞き入ってしまったのが不可思議/wonderboyの『Pellicule』。曲が終わるか終わらないかっていうタイミングですぐさまググって、いろいろ衝撃を受けました。不可思議/wonderboyというラッパーは、2011年6月に交通事故で既にお亡くなりになっていたこと、当時彼はまだ弱冠24歳であったこと、彼の才能が広く認められるようになったのは亡くなってしまってからであること......谷川俊太郎氏とのコラボのこと、そして『Pellicule』が作られた背景 etc.。
自分は普段ラップは聴かないのですけど、不思議とこの『Pellicule』はすっと頭に「入って」きたんですよね。すごくこう若者らしいって言うのかな、将来への漠たる不安だったり焦燥感、若干の刹那主義、歳をとることの非情さ、そういうのがないまぜになった感情が歌詞とシンプルなメロディーで恐ろしいほどうまく表現されている。そしてそういう感情は決して若者に限られたものではなく、変化し続ける環境と自分とのズレみたいなものに少なからず戸惑い続けてきたおっさんの自分にも確かにあって。この歌自体は、タイへサッカーしに行った彼の友人に向けられたものであっても、すごく共感できてしまうところがあります。
もっと早くこの曲に出会っていたら、今はもう少し違う自分になっていたかといえば、わからないけれど。とにかく俺達の知る限り時間ってやつは止まったり戻ったりはしない
ってくだりが本当に好きで、繰り返しMVを見ては、その部分を頭の中で反芻しました。あくまで「俺達の知る限り」であって、ひょっとして別の俺達が知らない宇宙では時間が止まったり戻ったりしているかもしれない。けれど、良くも悪くも時間はただ前に進むだけ
。だから、生きている限り今を大切にしなくては。そういう当たり前を再認識させてくれ、ラップにポエトリーリーディングというジャンルがあることを教えてくれた、不可思議/wonderboyさんに感謝を。