ご機嫌な職場
著
機嫌良く一日一日を大切に過ごすことを、自分にとって2019年唯一の抱負と定めて以来、かなりその点には意識的に過ごせている気がする今日この頃ですが、機嫌と職場環境について論じているというので読んだのが『ご機嫌な職場』。
明るい職場の意義は「どうせ仕事をするなら」というような小さなレベルではなく、経営にとって最重要の課題になりつつある
これ、自分もすごく肌感として同意できるのですけど、その最たる理由は何だろうなーと思っていて、しっくりきたのが
私たちは親和の欲求が弱体化した、他人のことなど気にしていられない社会に生きているのです。そうした中で、特に職場コミュニティーが弱体化していくのは、無理のない話
という記述。親和の欲求、というのは図表4では集団に帰属する欲求
と表現されているのだけれど、確かに社会全体をマクロ視点で見れば、いわゆる「おひとりさま文化」の台頭一つとっても、そういうトレンドにあるのだろうと感じます。加えて
職場コミュニティーの形成を支えてきた「移動手段の発達」とインターネットに代表される「情報伝達手段の発達」は、人々の「つながるニーズ」を満たすという文脈において競合関係にある
というのは重要な指摘だと思いました。その競合が、万物は(放っておけば)統合ではなく分化の方向へ進んでいくとの個人的仮説に基づいても起こり得る点からも、すごく納得感があります。将来、組織が不要とはならないまでも、これまで以上に各人が自主自律のスタンスを持って、距離と時間に囚われることなく緩やかに連携できることが組織の理想像になったりするのかな。その前提に立つとますます、
本質的には、私たちは「職場とは何か」ということの再考を求められているのです。
という言葉の重みが増します。