第36回 W3C CSS Module 仕様書もくもく会@東京
著
12月26日の覚え書き。第36回 W3C CSS Module 仕様書もくもく会@東京に参加しました。今回のお題は、2018年の締めくくりの回らしく、CSS Snapshot 2018 日本語訳です。前回に引き続き文章量が少ないほうだったので、しっかり読み切ることができたし、余った時間は訳者である@momdo_さんを交えSlackで疑問点を解決したり訳文の良し悪しについて意見交換できたので、とても良かったです。しかしダブルクリックして訳文の直下に原文を表示できないの辛かった(謎)......以下、感想とか気づきとか:
1つの定義すべての仕様を同時にまとめます
ってよく分からないなぁと思ったら原文も分かりにくい(collects together into one definition all the specs that together
)。トゥギャザー過ぎる。このプロファイルを公開することを選択しました
、でプロファイルという単語の登場に違和感。この文書を、のほうがよほど自然で通じるような印象。とはいえ意訳するわけにもいかなでしょうけど。最も完全な形でCSSを定義
......自信満々ですねwコメント追跡文書は、コメントの解決(Disposition of Comments: DoC)です
......うーんなるほど分からん。訳としては原文(The comment-tracking document is the Disposition of Comments (DoC).
)に極めて忠実なのですが。- EdgeHTML云々が記憶に新しいがゆえに、
各機能の2つの正しい、独立している実装の実演は、勧告候補を終了するのに必要
を読むにつけ、これからどうなるのかなーという印象。ちなみに実演という訳で引っかかったけれど、原文にはDemonstration
とあったので、これはこれで。 多層カラム
という訳について。Multiという言葉に、「多」というニュアンスはあれど、「層」というニュアンスは含まれていただろうか、というのが気になるなど。またユーザーインターフェイスをまた強化する
のところ、「また」が冗長な感じ。原文はdefining cursor, outline, and several new CSS features that also enhance the user interface.
とあって、alsoは1回だけ。定義を精錬して機能を追加
の精錬、は明らかに洗練の誤記(原文はrefining definitions and adding features.
)、もんどポイントゲットだぜ。CSSレベル3草案に引き込まれる
とか隠し設定フラグの背後に
とか、微妙に物理みを感じるんですよね......- 原文でもCSSWGというのを一語で表記している箇所があったけど、どうも「CSSワーキンググループ」という表記と揺れを感じる。
Even if a feature is intended to eventually be used in the Web,
の訳、たとえ機能がウェブで結局は使用されることを意図されても
も、「結局は」の位置のせいか微妙に分かりにくさ。少なくとも3つのユーザーエージェントは、機能を実装し
とあるけど、これはどういう勘定なのか。出自が同じレンダリングエンジンを使っていてもベンダーが異なればそれは1つのUAと数えて良いのかどうか。エッジケース(またはそれほどエッジでないケース)
......どっちやねんと。痛みを伴う相互運用性の欠如
、このフレーズ好き。出荷する圧力を解放すること
......原文はreleasing the pressure to ship
とあって、単に出荷させるってしちゃいけないのかなとか。a feature has already escaped into the wild
の訳、機能が既に荒野に脱出
というのは想像力を掻き立てられる。doesn't help anyone.
の訳の誰も助けません
も、救いがなくて辛い。production release
の訳を量産リリース
とされているけど、製品版とかでも良いのでは。It also reduces the need occasionally felt by by some vendors to support a feature with the prefix of another vendor, due to content depending on that syntax.
の訳、他のベンダーの接頭辞をもつ機能をサポートするために一部のベンダーによって折に触れて感じる必要性を低減します。
は訳し直した方が良さそう。- 一文まるっと訳し直し、という意味では
Anyone promoting unstable features to authors should document them using their standard unprefixed syntax, and avoid encouraging the use of the vendor-prefixed syntax for any purpose other than working around implementation differences.
もそう。個人的にはdocumentを動詞として使ってるあたりが曲者感。その場で思いついた私案は「著者に安定していない機能を奨励する際には常に、標準に基づく接頭辞のない記法を文章で提示すべきであり、また実装差異を埋める以外のどんな目的においてもベンダー接頭辞の使用を奨励すべきではない。」 回避する。
、ここだけですます調ではない?prefixed variant
が接頭辞変異形
と訳されていて、これは何ぞ?という話になり、当初は複数のベンダー接頭辞をひっくるめた総称説があったのだけど、結論としては「prefixedなvariant of that feature」と取り直して訳せば良さそう。conic-gradient()
のリンク先が存在していないのは、トリプルアンダースコアさんが未訳のためであることが判明。
年内最後のW3C CSS Module 仕様書もくもく会、ということで終了後には参加者の皆さん&@masuP9さんと東池袋 魚金へ軽く飲みに行きました。@masuP9さんはCSS in JSにヘイトを溜め始めてらしたのが辛そうでした(謎無)。来年もまた、もくもく会でCSS仕様と向き合っていきたいと思います!皆さんお疲れ様でした、ありがとうございました。