第35回 W3C CSS Module 仕様書もくもく会@東京
著
第35回 W3C CSS Module 仕様書もくもく会@東京に参加しました。会場は久しぶりの株式会社まぼろし......池袋は通勤定期で途中下車できる駅だし、周辺は渋谷ほどは人混みが酷くないので、個人的に大変助かります。今回のお題はCSS Shapes Module Level 1 (日本語訳)、これまで読んできた仕様書の文章量と比べ短めなぶん、単に読み終えるのみならずその場で質問できたのが良かったです。以下、気づいたこととか:
用立て
って久しぶりに聞いたなぁと思い原文を確認したところmake use of
の訳らしい。なるほど。排他体
って、全然「排泄物」に似てないのに、「排」って字があるだけでなぜか汚らしいイメージ......。CSS Shapesと CSS Exclusions の両者とも実装する UA
ってあるのかな?と思い、Can I use...を見てみたところ、見事なまでに排他的なサポート状況でした(CSS Shapes Level 1、CSS Exclusions Level 1参照)。なぜそうなっているのか、経緯が気になって会場で質問したのですけど、はっきりとしたことは分からず。どちらの仕様も、著者はMicrosoftとAdobeの中の人なんですけどね。要素の中で内容が回り込む図形
......言葉ではすごくイメージしにくいので、欲を言えばここに図解が欲しいところ。フローする
って、ここは「浮動する」という訳のほうが浮動体って言葉とも整合すると思ったのですけど、flowとfloatとでは意図的に訳し方を変えているのでしょうか。堆積法
ってなんぞ???ってなったけど、原文にstacking
とあって納得。- shape-outsideの解説がなされる前に、例の中で使用されてもなぁと......これは仕様原文のつくりがイケてないのでは。
詳細は SVG の fill-rule プロパティを見よ
とあって、これは先に勧告されたSVG仕様との相互運用性を重んじての経緯なのかな?と思い会場で質問。おそらくそうでしょうね、とのこと。offset
という言葉は、なぜか英単語のままなのが気がかり。他の訳文から察するに、無理やりでも日本語に置き換えられていてもおかしくはないし、むしろそのほうが自然だと思ったのですが。calc() 変形
、原文ではcalc() transformations
とあるけど、果たしてこれがいつどういう状況で求められるものなのか、さっぱりイメージできない。式を別の原点で再構成したり簡約する
必要って、何から生ずるのだろうか的な。選好され
って興味深い訳だなぁと思ったらpreferring
と原文にありました。複階的な CSS ボックスモデルの各辺
、例示がとてもキモいですね......。
ちなみに、来月の年内最後の開催回ではCSS Snapshot 2018 (日本語訳)を読むことになりそう。今回同様、文字量的には多くないので、なんとか参加したいところ。
[ 2018-11-24 追記 ] 訳者のtriple-underscoreさんより自分の拙いコメントにご対応([css-shapes] 細かい編集/訳注など · triple-underscore/triple-underscore.github.io@5b225c3)いただけた旨、ご連絡をいただきました。offsetがカタカナ表記のオフセットに......ありがとうございます。また、CSS Shapesと CSS Exclusionsの実装状況については、関連するやり取り([css-exclusions] Status of the exclusions spec · Issue #3308 · w3c/csswg-drafts)をSlackのほうで教えていただきました。こちらも、ありがとうございます!