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自衛隊メンタル教官が教える 心の疲れをとる技術

4年も前に買って読んでいた『自衛隊メンタル教官が教える 心の疲れをとる技術』ですが、マーカー引いたところを読み直すと、改めてナルホドと思うところが多くありました。「ムリ」「ムダ」「ムラ」の3要素について、ご自身の経験をベースに組織運営の観点を交えわかりやすく説いています。以下は、締めの「おわりに」からの引用:

ムリとムダの混在がムラだ。ムラは、何かをしようとすると必ず生起する。それは、人がやはり動物で、やる気のある時とそうでない時、健康な時と病気の時、スキルが十分な時と未熟な時があるからだ。だから、ムラをゼロにする必要はないが、コンスタントなパフォーマンスをするためにはムラを少なくしなければならない。

すっかり忘れていたけれど、その「おわりに」において、山崎直子宇宙飛行士の著書で知って以来のお気に入りであるニーバーの祈りが引用されていたのも良かったです。閑話休題、著者曰くムリには3つの段階があるのだそう:

なかでも「第2段階のムリ」というのをいかに回避するかが重要らしい:

頭脳・感情労働で「疲れた」と認識できない疲労が、眠るという最大の疲労回復のチャンスを奪い、知らない間に我々は「第2段階のムリ」に陥ってしまうのだ。

個人ができるムリ対策は、第2段階までが勝負だ。つまり、完全に別人化する前まで。この段階なら、なんとか自分でも様々な対処をすることはできる。第3段階で別人になってしまうと、プロの力を借りないと、上手に対処しにくくなる。

やはり睡眠は重要というか偉大......学生の頃とか平気で徹夜したりしてたけど(今はもう年齢的にしたくてもできない感じだけど)、睡眠を安易に削るなど自殺行為に等しく思えてきます。ただ、ムリを完全に排除するというのもそれはそれで難しい話で、時と場合によっては必要なムリもあるでしょう。ムリをしたからこそ成長できた部分というのは、過去の自分を振り返っても否定し難いし、実際無理で戦線離脱したことをきっかけに、成長する人も多いとある。前にしか進まない時間の流れの中で、いつ、どこまでのムリを是とするかは、実に難しいものです:

どこまで自分や部下にもムリを強いるか。それは難しいテーマで、人生観の問題になるだろう。何が正解かは、誰もわからない。

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