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「一体感」が会社を潰す 異質と一流を排除する<子ども病>の正体

タイトルがなかなか攻めてる感じの『「一体感」が会社を潰す 異質と一流を排除する<子ども病>の正体』、覚え書きしていなかったので軽く読み直しました。高度経済成長期まで有効とされてきた日本の企業のあり方(成功モデル)はバブル崩壊以降、有効ではなくなっていると主張している本。タイトルと符合して、その主張をよくあらわしているのが

現在は、「多様性」が競争力の源泉になると言われていますが、ひと昔前までは、逆に「同質性」こそが競争力の源泉だった

というフレーズ。また、筆者が用いている「コドモの組織」「大人の組織」という区分は、賛同しかねる部分もあるけれど(言い回し的に)、両者を対比させての

コドモの組織の競争力の源泉は、「標準化力と同質性」でしたが、大人の組織では、「専門技術力と異質性」が競争力の源泉

というフレーズも、一定のレベルでの標準化力や同質性に対するニーズは残るにせよ、まぁそうなってきてるなという納得感があります。そうであってこそ、経済環境のみならず社会全体の変化に対して適応する際、瞬発力を発揮しやすいはず。必要以上に同質性を担保してしまうと、それを変えるときのコストが半端ない(大企業であれば尚更)わけで。気に入ったのが

自分を律するだけでなく、周囲の人や環境を律することも自律(広義)のうちです。自分にとって働きやすい、技術を磨きやすい環境をつくるために、つまり、利己のためにも利他的な行動を心がけることが重要

というくだり。いくら広義との注釈が加えられていても、さすがにそれは「自律」の範囲を超えているのでは?と思ったし、すごく逆説的にも感じられますが......利他の精神が最終的に回り回って利己のためにもなる、というのは過去の経験に照らして確かにそうだと思えるので。

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