日本企業の社員は、なぜこんなにもモチベーションが低いのか?
著
『日本企業の社員は、なぜこんなにもモチベーションが低いのか?』は、2年くらい前に読んだ(けれど調べたら覚え書きしていなかった)本ですが、勤務先で生産性がテーマとなっている昨今、改めてふと読み直してみました。モチベーションが低い、と聞くとあたかも被雇用者側に課題があるかの印象ですが、そういうことを指摘しているのではなく雇用者側、特に人事管理に関する課題を指摘している本。たとえば次のような調子:
日本企業が安定した長期雇用を提供できた時代は過ぎ去った。しかしながら日本企業は、周りの世界の変化に目を向けることを怠り、縮小する一方の正社員を対象とした伝統的な人事管理のモデルにしがみついている。
確かに、そういう傾向はあるのかもしれません。しかし同時に、企業の自助努力だけでこれをどこまで改善できるかというと疑問に感じたりもします。決して生易しいことではないというのは著者自身、あとがきで認めているところではありますが、おそらく社会全体を巻き込んでの再設計が必要なところもあるでしょうし、それに絡んで変えなければいけない法律もあるのではないかと。一方、
日本企業は仕事を定義するにあたって、スキルとアウトプットではなく、職場で過ごす時間と服従の近いに焦点をあてている。
日本企業では仕事がアウトプット(結果) ではなく、インプット(時間と「努力」)によって測定される
このへんは比較的容易に改善できるのではないかな......アウトプットをどう測るか、定量化するかというのは業種・業界によって色々議論はありそうだけれど、そこはえいやで決めしまわないと、そもそも生産性=アウトプット÷インプット、の良し悪しを論じることすら本来難しい。