40歳が社長になる日
著
書店ではまだ平積みされてるところもありそうですが、割と最近読んだ一冊が『40歳が社長になる日』。経営者育成の最新トレンドを知る、みたいな本なんですけど、著者はいわゆるマッキンゼーの卒業生で、15年以上にわたって、社長のリーダーシップ開発支援
をしてきたとのこと。「経営者のリーダーシップ開発の汎用的な知恵」を私やクライアント企業だけにとどめておくのはもったいない
と感じたのが、本書執筆のきっかけだったらしい。
時代背景の解説の中でたびたび登場するのが、「非連続」というキーワード。やれ「非連続の成長」が、これからの企業の成長にとっては必須になる
だの、非連続の成長が必要な今、求められているのは、「破壊的イノベーション」
だの。社会変化の激しさ故に、ほんの少し先の未来ですら見通すことが難しくなっているからこそ、持続的イノベーションより破壊的イノベーションの重要性が高まっている......ということなんですが、WebとかITの業界に長くいるせいか、むしろそれがずっとデフォルトであったような錯覚、もとい実感を覚えます。それは
重要なことは、「変化は確実にやってくる」という不都合な真実を受け入れ、「変化に適応する」「変化を楽しむ」と意識を変えていくことです。
というフレーズについてもそうで、似たようなことは会社説明会の場でよく話しています。速い変化を楽しめるぐらいでないと早晩、しんどくなるのが自明な業界だと考えているので。ただそれが今や、他の(Web/IT以外の)業種・業界にも波及している......ということかしら。そして非常に興味深かったのが
AIを使うことによって、今やさまざまなことが科学的に判断できるようになってきています。実は経営や人事領域でも、同じです。もっともっと科学的にできることは、たくさんあるはずです。リーダーシップ開発が、科学的にできる時代になってきたのです。
というくだり。その少し前にある、相当定性的と思われていた組織や人との相性が、定量化できるようになり、最適配置を仮説検証できるようになってきた
とのくだりも同様。AIというのはバズワードであって、個人的にはその言葉が出てきたら少し疑ってかかるくらいがちょうど良いとすら思ってますけども、人事領域への応用の現実味というのは実際のところどうか、ちょっと調べてみたい。
なお、一箇所だけ誤記っぽいものを発見。第4章でとどの
とあるんですが、「などの」かなぁと。