ビジネスパーソンの父が子どもたちに伝えたい21世紀の生き方
著
だいぶ昔に読み終えていた本ですが、覚書していなかったので。最近、教育についてあれこれ考えることが増えてきたのを機に、ちょいと読み直してみたのが『ビジネスパーソンの父が子どもたちに伝えたい21世紀の生き方』。タイトルのビジネスパーソン云々は正直要らないんじゃ無いかと思いつつ、なかなか良いこと書いてありました。終盤は割とリーダーシップについての記述が目についたけれど、本書には僕にとってなぜ教育に難しさを感じるのか非常に明快に書かれていて、
なんらかの教育手法を実践した結果として得られる教育効果は、その出現までに相当な時間がかかる
子育ては、不足している情報をベースとしつつ、親が自らの価値観と判断によって進めるしかない冒険
子供がある程度の年齢になるまでは、親が、その教育をデザインし、実行していかないとならない
子供は、ただ自らの意思だけで人生を選択するには、情報が足りなすぎる
「自分が育てられたように子供を育ててしまうこと」に問題がある
......とある。まさに、親自身の経験だけに基づいて教育をデザインしてもダメだし(環境は変化し続けている)、今現在のトレンドをよくよく調査・分析し良かれと思う教育を施せたとしても、それが「アタリ」か「ハズレ」かを短期的に判断したり、それを踏まえ必要に応じ軌道修正をかけることが困難。そもそも何が「アタリ」か「ハズレ」かは、教育を施す側と受ける側とで受け取り方も違ってくるしで、ますます悩ましいのだよなと。で、
これからは、複数の専門性を、生涯にわたって同時並行的に習得していくことが求められる
というのは、少し前に読んだちきりん氏の本でも触れられていたような。これは決して子供だけではなく、当然ながら今を生きる親の世代にも必要なこと。そうでなければ、人生80年と仮定した時に残り半分も生きていかなければいけない自分が、この社会変化の荒波を乗り越え続けられるとは到底思えない。そして『カシコギ』という本からの以下の引用が、胸に突き刺さる......。
あなたが空しく生きた今日は、昨日死んでいった者があれほど生きたいと願った今日