低成長時代に業績を伸ばす社長の条件
著
『低成長時代に業績を伸ばす社長の条件』という本を読みました。著者による低成長時代の定義とは、基本的には内閣府の公表している経済成長率の推移がベースにあるのですけど、第1章には
120〜130くらいの力を出して、やっと100の現状維持という時代
過去を振り返る時、「あの時が一番良かった」という言葉が繰り返される時代
とあります。その上で、サービス提供する側の「効率」と、提供される側(=顧客)の「効果」を対比させて、
- 市場拡大時:効率が重要/li>
- 市場縮小時:効果が重要/li>
としているのは、非常に分かりやすかったです。求められる生産性についても市場拡大時と市場縮小時は当然異なり、後者の状況では効率の追求
よりもお客さまへの効果を極め、付加価値を高める
生産性が大事と説いています。また第2章で
- 市場拡大時:質より量、合理化・効率化が重要/li>
- 市場縮小時:量より質、付加価値が重要/li>
のように整理していたのも分かりやすかったかと。事業はいつもあちらへの効果が先で、次にこちらの効率がある
という論も、納得(ここでいう「あちら」とは顧客の意味)。そしてその効果を最大化するためには、顧客のビジネスに対する深い理解に加えて共感が必要になる、と。
また改めて確認したのは、モノやサービスを購入する際、そのほとんどは、モノやサービスそのものではなく、そのモノやサービスを手に入れることによって得られる「機能」を買っている
という話。そこを見誤ってしまって、自分の取り扱っている製品やサービスにこだわりすぎると、環境が変化していく中で売るべきものの選択を誤るという。
「人に仕事が付いている」わけではなく、「仕事に人がついている」
のも、確かに。「それは私の仕事ではありません」などという会話がされるのは、「仕事に人がついている」という感覚を社員全員が共有していないから
、というくだりからは、ちょっとした気づきが得られたのでよかったです。職種ごとの守備範囲、どこまで太く線引きするかってのはあくまでケースバイケースですけど。