iPhone発表10周年
著
iPhoneがMacworld 2007 in San Franciscoで初めて発表されてから10周年を迎えたそうで(iPhone at ten: the revolution continues - Apple参照)。「もう」10年か「まだ」10年かで言ったら、比較的動きの速い(と言われることの多い)IT業界の片隅で働いているせいか、「まだ」という感覚が強い。もっとも日本で発売されるまでは、2007年の発表から1年以上の時間を要しているわけだけど(日本での発売が発表されるまでは、実にやきもきしたものだなぁ)。
改めて、故Steve Jobs氏の歴史的な(と表現しても決して大げさではないと思っている)プレゼンテーションを見てみると、氏の述べた「revolutionary product」という表現は、まったくもって正しかったなと。本当に、全てを変えてしまった......人を、社会を、そしてWebデザインをも。これほどの広範かつ激しい不可逆変化を引き起こす、その引き金が引かれた瞬間を目の当たりにできた(確か当時、日本時間の夜中に件の基調講演をネット中継で見ていたはず)のは、僥倖だったなぁ。
iPhoneのようなデバイスが登場し、普及することがなければ、いまだWebページのデザインはコンテンツの横幅を固定したものが主流だったかもしれない。あるいは、モバイル向けとデスクトップ向けとを完全に別個のものとして扱うデザイン手法が、一般的だったかもしれない。無論、コンテンツ幅固定のデザインやモバイル専用ページが駄目とかそういう話ではなくて......少なくとも、Flashコンテンツは今より遥かに健在だったんじゃないかな。
近年、iPhoneに限らず、スマートフォンはもちろんモバイルデバイス全般に対する個人的な感想として、一時期ほどの勢いというかイノベーションが感じられなくなってきているというのはあるものの、とはいえiPhone発表から10年「しか」経っていないと思えばこそ、この分野における可能性とか機会というのはまだまだ多くあるはずで、それを信じて(楽しみに)これからの10年を生きていけたら。