Accessibility Guidelines Working GroupとかWCAG 2.1とかAccessibility Guidelines 3.0とか
著
あまり取りざたされていない気がするので、一応。W3C/WAIの動きとして、これまでWCAG(Web Content Accessibility Guidelines)を策定してきたWCAG WGを、Accessibility Guidelines Working Group(AG WG)へと再編する動きがあります。既にその憲章案(大元はWCAG WGの憲章だったもの)は、各W3C会員の責任者(AC:Advisory Committee)によるレビューを終えており(11月4日から12月2日までがレビュー期間でした)、自分も勤務先を代表して回答を提出しています。まだ具体的に何がどうなるか知りませんけど、憲章案において同WGのスコープは
- WCAG 2.0に対する規範的なアップデートの開発を通じ、モバイル/タッチデバイスへのWCAGの応用を支援すると共に、ロービジョンや認知、言語、学習に関する障害を有するユーザーをより良くサポートするよう改善
- Webアクセシビリティのテストツールにおいて、WCAG 2.0およびWCAG 2.1の統一的な解釈を促進するための、テストルールのフレームワークやリポジトリの開発
- WCAGのメジャーアップデートに伴う要求事項(ユーザーエージェントやオーサーリングツールに対するものを包括するかもしれない)の開発
- アクセシビリティガイドラインの実装を支援するための非規範的なドキュメントの開発の継続
とされており、また成果物のうち規範的仕様として
- Web Content Accessibility Guidelines 2.1
- Accessibility Conformance Testing Framework 1.0
- Accessibility Guidelines 3.0(草案)
の3点を挙げています。これ、結構大掛かりな変化だと思うのですよね......一時はWCAGに対し拡張(Extension)を開発することを決めたのですけど、今出されている方針ではそれを止めて、マイナーアップデート版としてWCAG 2.1を開発しようと。そして将来的には、Accessibility Guidelines 3.0を開発する予定になっています。WCAG 2.0はISO/IEC 40500:2012として国際標準になっているだけに、2.1の扱いはどうなるのか、またJIS X 8341-3の次の見直し(順当に考えれば2021年?)では、どこをどう書き換えることになるのか。マイルストーンを見ると、すべてが順調に運べばWCAG 2.1が勧告となるのは2018年6月なので、多少の遅れが生じたところで次期JIS X 8341-3への影響は避けられない気はします。