忙しすぎる社長の教科書
著
前田浩樹著『忙しすぎる社長の教科書』を読み直しました。脱ワンマン経営!というフレーズがサブタイトル的に付けられているけれど、別にワンマン経営をいまいま自分がやっている......というつもりはなく、いや人によってはそう受け取っている可能性もなくはないですが、とにかくそこは気にせずに読んでみた本です。
第1章にある上手くいっている会社とそうでない会社の違い
というのが、割と本書の内容を上手く言い表しているというか、ワンマン経営から脱した先にある組織の「あるべき姿」を端的に説いているのかな、と:
会社の目的(つまりビジョン)が明確か?
目的が実行に落とし込まれているか?
従業員の意欲は高いか?
組織のチームワークは良いか?
良い雰囲気(つまり組織風土=カルチャー)が流れているか?
これ、いずれも会社全体というスコープだけでなしに、そこから細かく区分けされた先の部署・部門、チームという単位においても有効かつ必要なポイントかなと。逆に、そういう組織の最小単位からして上記のような条件を満たせていなければ、総体としての会社全体も当然、ワンマンぽさが抜けずいつまで経っても目指すカルチャーが育まれない......ということに。結局のところトップダウンとボトムアップ、両アプローチでの推進が必要という印象。
本書の内容の多くは、影響力の経営
と著者が名付けたところのメソッドを実現すべく、人間の心理メカニズムの活用法。しかし、そのメカニズムを7項目にわたって書き出されたうち、人は事実を見ているのではない。事実を「自分の見方」で見ている
というのが、なかなか難しい......見方なり見え方を揃えるべきところと、そうすべきでないところと、見極めが肝心っていうか。