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黒部峡谷・下ノ廊下ツアー 2016

十字峡

9月23日から25日にかけて、2泊3日で下ノ廊下を踏破してきました(2年ぶり4度目)。昨年は一向に溶け切らない雪に阻まれ、黒部ダムからの行程は終ぞ開通することなく、歩きに行くチャンスに恵まれなかっただけに、十字峡にたどり着けた時は喜びもひとしお。

とはいえ、今回はギリギリまで行くべきか迷いました。何せまだルートが正式には開通していない(未整備個所が残っている)状態だったし、高気圧が張り出してくるタイミングだったとはいえ、天気予報もだいぶ微妙な感じでした。阿曽原温泉小屋のご主人が発信されている情報によれば、現地で小規模な地震活動が発生していたのも気になりました。とはいえこのタイミングを逃せば、なかなか土日につなげての3連休を取りにくくなってしまうし、10月8〜10日の3連休は既に阿曽原温泉小屋の予約が埋まってしまっているという。

最終的には、もちろん身の安全を最優先に考えつつも、過去に3度同じルートを歩いている経験と自信を拠り所として、歩きに行くことを決めました。黒部湖畔に泊まるだけの初日こそ雨に降られたものの、30キロという距離を集中力を切らさず歩き通す必要のある2〜3日目については降られることなく、時間帯によっては青空を目にすることができたほどで、結果的には快適な山歩きができました。本格的なシーズンに入る前でしたから、とにかくどこに行っても人が少なかったですね。写真は下ノ廊下 2016 | Flickrにまとめてあります。

9月23日(1日目)

  1. 8時過ぎに自宅を出発。北アルプスに向かうにしては、だいぶゆっくりとした時間の出発。
  2. 田端駅であずさ9号2号車15Aの座席指定特急券を購入、これで往路は一安心。
  3. 自分と同じく、金曜に休みを取って4連休にしている人が多いことを期待したけれど、山手線はいつもと変わらず混雑ぶり。登山装備のせいで若干、窮屈な思いをしたというか、逆に周りに申し訳なかったというか。
  4. あずさ9号の車内では、最初のうちは真面目にNexus 7で読書していたけど、途中から眠くなってしまってギブアップ。
  5. 松本駅から各駅停車に乗り換え、しっかり座れた。もっと早い時間の特急なら、信濃大町駅まで乗り換えなしで行けたのだけど、黒部にあまり早く着きすぎてもね。
  6. 13:10に信濃大町駅着、そして間髪入れずにバスのチケット売り場に向かい、13時15分発の扇沢駅行きバスに乗車(最前列)。
  7. 13:50に扇沢駅着、14:00発のトロリーバスのチケットを購入。長く続くトンネルの中で破砕帯を抜け、そして富山県に入り、14:15に黒部ダム駅着
  8. 展望台に出てみれば外は小雨、そして概ね周りは白い世界(雲がかかっている)。まぁ、初日は何もせず黒部湖畔に泊まるだけだから気にしない。
  9. 黒部ダムレストハウスで昼食でも......と思ったけど、メニューの値段の高さに思い直す。そもそも前夜にチャーザルを食べていたので、そんなにお腹すいてないし。
  10. 特にすることもなく、早々にロッジくろよんを目指す。ガルべに乗っても良いかなと一瞬思ったけど、既にこの日の最終便のチケット販売が終わっていた。
  11. ロッジくろよんで案内されたのは207号室。6畳に3人とは、実に空いている!!同室のお二人共に割と話しやすい感じの方で、ありがたかった。
  12. 夕食時にカウントした限り、この日ロッジくろよんに泊まったのは10人くらい?すごく空いてて新鮮。
  13. 夕食後、食休みでしばし猫ラーメンなる漫画を読み耽る。ちなみに『玄人のひとりごと』もあって、山小屋と相性のいい漫画なのかなと思ってしまった(西穂山荘でも見かけたので)。
  14. 21時の消灯を待たず、サクッと3人とも就寝。おやすみなさい。

9月24日(2日目)

  1. 夜中に何度か目を覚ましては腕時計で時間を確認しつつ、4時過ぎには起床。天候は回復、部屋から月とオリオン座が見えた。
  2. 5時前には出発。黒部ダムに戻るまでもなくヘッドランプは使わなくて良い明るさに
  3. ダムの上で、ロッジくろよんで同室だった方と合流。その後、黒部川を渡るところまではご一緒した。
  4. 歩き始めから1時間くらいだったので、その黒部川を渡るところで小休止。しかし観光放水の開始までは時間があったので、それを待たずに出発。
  5. やはり黒部川の淡いエメラルドグリーンの水の色は美しい。木々の色は紅葉にはまだまだ程遠い。
  6. 早めに川岸でお弁当をいただき、歩き続ける。未整備個所は確かにあったが、身の危険を感じるほどの危うさはなく、気をつければちゃんと歩ける。
  7. むしろ危なかったのは、前日の雨のおかげで濡れていた岩や木の表面。慎重に歩いていたつもりでも、何度か足を滑らせずっこけてしまった(崖っぷちでなくて助かった)。
  8. そして極め付けは、小さな沢を渡るときにあまり足を濡らすまいと思ってしまったのが仇になり、足を滑らせ転倒。右足をしたたか強く打ったのと、右手をついたときに中指で突き指してしまった。突き指なんて、何年ぶりだか。
  9. それにしても雪の少なさは異例。過去3回の踏破で毎回目にしていたスノーブリッジが今年はほとんどない(一応、存在はしていたが超小さい)。
  10. なんとか無事、十字峡の展望台まで到着。何度来ても、この眺めは素晴らしい。20分くらいそこで過ごしていたけど、終始貸切状態だったのも良かった。誰もいないがゆえに、無理やり自撮りをしたり。
  11. 半月峡S字峡東谷吊橋を通過、そして仙人ダム(今年は水量が多く水底は見えなかった)で仙人池の方から降りてきた方と出会う。阿曽原泊まりだというので、急登までしばらく話しながら進む。
  12. 急登で一人スパートをかけて、阿曽原温泉小屋に13時前に到着。2年ぶりなのに、ご主人に「見たことある顔だな」と言われたのが、とても嬉しかった。
  13. 案内されたのは4号室。結局、到着時間の早さゆえか、他の部屋に泊まったためしがない。荷物整理をしてから、露天風呂が男性の時間になるまで、しばしビールを飲みつつ他の登山客の方とお話しする。
  14. 仙人池ヒュッテは混んでいるようで、特に写真を撮りに来ている方の連泊が激しいらしい(10連泊とか)。予約時に「2泊」って頼むと「2泊でいいんですか?」って返されたらしい。行ってみたいなぁ、仙人池。
  15. 14時を待たずに男性入浴OKとなったので(女性客が少なかった)、いそいそと露天風呂へ。なんと一番乗り、少しの間とはいえ貸切状態で身体を洗えた。最初は空いてたけど、徐々に混み始め「芋洗い」状態になってきたので、上がってしまう。
  16. 風呂上がり後に再びビールを飲んで、後から到着された(前夜、ロッジくろよんで同室だった)方と話したりなんかして、それから夕飯まで軽く一眠り。
  17. 18時からの夕飯は2回転するだかで、やっぱりカレー食べ放題。自分は丸々、2杯をいただきました。コシヒカリだし、とにかくめっちゃ美味しい。
  18. 特にすることもなく、サクッと就寝。おやすみなさい。

9月25日(3日目)

  1. やはり夜中に何度か目を覚ましつつ、それでも何とか眠れてはいたけど、4時過ぎにははっきり目が覚めてしまった。
  2. まだ早い、と自分に言い聞かせつつ、4時半までは布団の中で過ごしてから起床。
  3. 顔を洗っていたところで、阿曽原温泉小屋のご主人と挨拶。「ベテラン」と声をかけられ、嬉しいやら気恥ずかしいやら。
  4. 5時少し前には阿曽原温泉小屋を出発。直前、福岡からいらしてた方と挨拶。その方は仙人池ヒュッテに向かうという......お互いの安全を祈念。
  5. 何度か、振り返っては阿曽原温泉小屋を見、そして遥か頭上に浮かぶ月を見、次に来るのはいつの日になるかなぁと思う。
  6. しばらく続く急登を抜けたあたりで、女性3人と男性1人のパーティーを抜かせず一苦労。下りハシゴの手前で声をかけ、抜かせていただく。
  7. 1時間ほど歩いて、滝のところで小休止。その後、大太鼓まではあっという間だった気がする。やっぱり誰も前後にいないので自撮りするなど。
  8. 基本的には1時間ごとを目安に水分補給を兼ねた休憩を10分ほど取っていたのだけど、余裕で9時前に欅平に到着、ゴール!!!
  9. 天気が良ければもともとは祖母谷温泉まで足を伸ばすつもりだったけど、前日の転倒が響いてそこまでの元気はなく、名剣温泉で汗を流すことに。そのための時間を見繕って、帰りのトロッコ電車の切符を確保。11:04発の7号車。
  10. 2年前もお世話になった名剣温泉では、見覚えのあるご主人と世間話。さらに露天風呂では、東北から自動車旅行で立ち寄ったという方と世間話。
  11. 欅平駅に戻り、2階のレストランで富山名物のブラックラーメンをいただく。割とコショウぽいなーと思いつつ、スープは飲み干してしまった。
  12. 宇奈月駅について、時間があれば是非カフェボンフィーノでコーヒーを......と思っていたけど、無情にも「準備中」の看板が。ナンデヤネン。
  13. 宇奈月温泉駅から12:58発の特急に乗り、新黒部駅に13:15着。目と鼻の先にある黒部宇奈月温泉駅まで歩いて、新幹線(はくたか564号8号車1C)のチケットを購入。
  14. 電波が入らない間のツイートやらフィードやら消化していたら、あっという間に大宮駅に到着。そこから京浜東北線で、田端駅には16:09着。

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